八八(cm)艦隊備砲総覧
第3部  小口径砲(高角/両用砲、駆逐艦以下補助艦艇主砲)編

《高角砲(4〜5インチ級)》
■45口径3年式12cm高角砲(単装/連装)
 八八艦隊計画時代の主力高角砲。初速、射程の面ではそれなりに優秀だったものの、装填の面で旧式化したため、後継の八九式に道を譲ることになる。ただし、ほとんどの砲は陸揚げされ、要港防空用の高角砲として、また、一部では陣地に設置され重対戦車砲に転用されたものもあった。
【搭載艦】
〈宮内“伊吹”レミイ〉型巡洋戦艦 等

■40口径89式12.7cm高角砲(単装/連装)
 駆逐艦主砲として一般化していた50口径3年式12.7cm砲を高角砲化した砲。発射速度は毎分14発と当時としては優秀であり、第二次世界大戦開戦当時、日本海軍の主力高角砲として特に大型艦を中心に多数が搭載された。
【搭載艦】
〈来栖川“紀伊”綾香〉型戦艦 等

■65口径94式10cm高角砲(連装)
 第二次大戦における最優秀高角砲の一つ。これまでの高角砲に比べて小口径ながら、半自動装填装置の採用などによって、格段の高初速、高発射速度を保っている。
 なお、本砲の量産に目処がついた段階で、一部の艦隊型駆逐艦も本砲を主砲としている。
【搭載艦】
〈高瀬“大和”瑞希〉型戦艦
〈秋月〉型駆逐艦 等

■6式長12.7cm高角砲(単装/連装)
 98式の後継として開発された高角砲。98式で培った技術を十全に生かした優秀砲で、第三次世界大戦中期以降の主力高角砲となった。
 ただし、重量の面で問題があり、小型艦艇への搭載は困難であったことから、旧来の98式がそのまま使用される事も多かった。また、第三次世界大戦における日本駆逐艦が大型化した要因の一つにもなった。
【搭載艦】
改〈保科〉(〈桜井〉)型防空軽巡洋艦
〈雄〉(由宇)型駆逐艦(第二シリーズ以降) 等

《大口径高角砲》
■60口径6式長15cm連装高角砲
 陸軍が高高度防空用に開発していた15cm高射砲を改修した遠距離防空用対空砲。
 砲としては優秀だったが、B29“ガディム”および、ドイツが開発するであろう高高度戦略爆撃機対策として陸軍が同砲を必要としたこと、生産上の問題をクリアできず、また遠距離防空兵器として9式対空誘導噴進弾の実用化が進んだことから搭載艦は〈江藤“白鳳”結花〉一隻に留まっている。
【搭載艦】
〈江藤“白鳳”結花〉(〈長森"大鳳"瑞佳〉型6番艦)

《小口径高角砲》
■50口径3年式/10年式8cm高角砲(単装)
 小艦艇搭載を想定して開発された小口径高角砲。主に補助艦艇の個艦防空兵器として運用されたが、ボフォース社の40mm機関砲の導入と、第二次大戦中から始まった軽巡洋艦の対空・対潜艦への方針変更から大半が撤去されている。
 なお、陸揚げされた本砲のほとんどは重要度の低い港湾の防空部隊に配備された。
【装備艦】
〈河島〉型海防艦 等

■65口径94式長8cm高角砲(単装/連装)
 3年式と同じコンセプトで開発された、94式長10cm高角砲の口径縮小版。
 94式同様、砲としては優秀だったものの、口径の小ささに起因する危害半径の小ささと、砲身命数の問題から装備艦は少数に留まった。
【装備艦】
〈立川“樅(二代)”郁美〉型駆逐艦 等

■65口径7式8cm自動高角砲
 主要戦術機の総ジェット化、および対艦誘導噴進弾の実用化に伴い、両用砲と40mm機銃の間を埋める、近接信管が使用可能な中距離対空兵器、また、6式長12.7cm両用砲の搭載が排水量的に困難な中・小型艦艇用の主戦兵器として開発された。この点からも理解できるように、本砲はどちらかといえば大口径機銃の強化版としての性格の強い砲であった。なお、基本的に本砲は連装砲架、射撃レーダーの複合システムを収めた連装砲塔で艦艇に搭載された。
 なお、一般にいわれる「毎分100発」は誇大表現であり、実際には短時間(即応弾・通常25発/門)のみ、1門あたり毎分40発のサイクルで発射できた程度である。
【装備艦】
雄型駆逐艦(第3シリーズ)
〈立川“樅(二代)”郁美〉型駆逐艦(後期建造型) 等

《平射砲》
■45口径12cm砲
 〈神風〉型駆逐艦まで、日本駆逐艦の標準として使用された小口径砲。威力不足が指摘され、特型駆逐艦からは正5インチ砲(12.7cm砲)を搭載することになる。
 本砲はその後、3年式12cm高角砲の原型、3年式12.7cm砲の原型となった。
【搭載艦】
〈樅〉級駆逐艦
〈由風〉(〈峯風〉型)駆逐艦 等

■50口径三年式12.7cm砲
 特型駆逐艦以降、甲型駆逐艦小口径速射砲。平射砲としては優秀であり、特型駆逐艦以来、単装砲架、連装砲塔等様々な形式で日本駆逐艦の主砲として愛用された。
 対空能力向上の観点から駆逐艦主砲の趨勢が両用砲装備に傾くに至って、甲型駆逐艦の一部を最後に駆逐艦主砲の座から退くことになる。
 なお、本砲を搭載した特型駆逐艦および甲型駆逐艦の一部は主砲を改造し、本砲を両用砲化している。
【搭載艦】
〈初音〉(特型)等