仮想スペイン史、及び南北アメリカとイギリスの経済について
 

仮年表
1491年:カスティーリャ・アラゴン連合王国司祭トルケマダ、落馬が原因で死亡。

1588年:スペイン無敵艦隊、英国海軍に敗れる。
1589年:スペイン王フェリペ2世、息子フェリペ王子と共に乗艦の事故が原因で爆死。
フェリペ2世の甥のパルマ公アレッサンドロ・ファルネス、フェリペ2世の娘イザベル=デ=クララ=エウヘニア王女と結婚、即位。アレッサンドロ1世となる。
1589〜:アレッサンドロ1世、国内産業育成及び欧州不干渉政策をとる。

1618年:三十年戦争勃発。
1621年:アレッサンドロ1世崩御。息子のフェルナンド3世即位。三十年戦争より手を引く。オーストリア=ハプスブルク家との関係悪化。

1640年:財政問題をめぐって内乱。ポルトガル、スペインとの同君連合を解消しようとするも果たせず。

1665年:フェルナンド4世崩御。ネーデルラント戦争(相続戦争)。
1672年:オランダ戦争(〜79年)。スペイン、フランシュ=コンテを失う。
1701年:スペイン継承戦争(〜14年)。フランス王ルイ14世、スペイン王(ポルトガル王兼任)の王位継承問題で介入。オーストリアは中立を維持。イギリスにジブラルダル割譲。
1714年:第一次スペイン統合戦争(〜15年)。スペイン内部におけるフランス・カスティーリャ王国連合軍対ポルトガル・アラゴン王国の内戦。カスティーリャ王国側が勝利し、以後猛烈な勢いで中央集権が進んでゆく。
1717年:第二次スペイン統合戦争。バスク及びナバラ等の地方勢力に対するに対する大粛清の結果、国内に内乱発生。大量の死者を出して終結。中央集権に成功する。

1776年:アメリカ独立宣言。アメリカ独立戦争(〜83年)。
1778年:フランスとスペイン、アメリカの独立承認。対英宣戦布告。
1783年:パリ条約。イギリス、アメリカの独立を承認。仏・西と講和。
1803年:スペイン、アメリカにルイジアナ以東の地域を1500万ドルで売却。
1807年:フランス軍スペイン侵攻。首都マドリード陥落。半島戦争開始(〜14年)。王室はリスボンに遷都。沿岸部を根拠として抵抗を続ける。海軍は各地に退避。
1811年:ニュー・グラナダ独立を宣言。ベネズエラは疫病の結果独立運動下火。スペインの直轄統治下に。
1813年:諸国民戦争。英スペイン駐留軍・スペイン軍反撃開始。
1814年:ナポレオン退位、エルバ島へ流刑。半島戦争終結。
1816年:アルゼンチン諸州・チリ独立。以後次々と植民地が独立する。
1820年:スペイン立憲革命。第三次スペイン統合戦争(〜22年)。以後旧ポルトガル地域がスペインの「中央」に。

1842年:ウィーン・ロスチャイルド家のフランツ、リスボンに事務所を構える。この頃よりスペインの産業革命始まる。

1865年:アメリカ南北戦争。南部連合国成立。同年スペインと通商条約締結。ロスチャイルド家は合衆国、南部連合国双方の企業に投資を開始。

1898年:スペイン領ベネズエラにて大油田発見。翌年石油企業「イベリア石油」がロスチャイルド家の援助の元設立される。

1907年:ロスチャイルド系の金融会社「エスパニア・リスボン金融(会社):ELF」設立される。リスボン・ロスチャイルド家の誕生。

1914年:第1次世界大戦勃発。スペインは中立を守り、軍需景気に湧くも、ドイツの無差別潜水艦戦によって商船団に大損害を受ける。

1918年:第1次世界大戦終結。スペインの工業力、ほぼフランスと等しくなる。
1919年:南米動乱。スペイン・南部連合(イギリス支援)対メキシコ・コロンビア・ブラジル(アメリカ支援)の争い。南米植民地と本国の連絡が一時途絶。通信と、通商護衛の重要性を痛感。
その後、海軍の拡張を開始する(主目的:地中海を牽制しつつ植民地と通商路を維持する)。

1936年:スペイン内戦。地方分権・社会主義の人民戦線内閣と、中央集権・資本主義のフランコ軍との争い。陸海軍、共にフランコ側につき、フランコが勝利する。
 

えーまずは解説から。
まずアメリカの国力ですが、皆さんが考えているであろう水準よりはかなり低いんじゃないだろうかと僕は思っています。
理由は、当然南北分裂です。史実では、あの戦争によって東部及び五大湖の工業地帯は巨大な国内市場と奴隷解放による安価な賃金労働者を得ることができました。結果その後、アメリカ経済は飛躍的な成長を遂げます。しかしこの世界では南北分裂によって、そうしたことは起きていません。無論それによって海外に市場を求める動きが史実よりもさらに強まることは確かでしょう(パナマ運河を強行建設していますし)。しかし史実よりも多少小さいだけの経済力を構築するためには国内においてまず大量の賃金労働者が必要となります。そしてそれを補充すべき国民の若年層は、そのうちのかなりの部分を軍隊に、特に頭数を必要とする陸軍に吸収されているものと思われます。つまり国内における経済規模はかなり小さいのではないでしょうか。逆に、重工業が完全に軍需工業化していると考えることも可能ですが。仮定論ですが、もし必要な労働力を南米や中国等からの移民によって確保した場合、史実とは比べ物にならないほどの巨大なヒスパニック系及び中国系などの移民社会が合衆国に誕生することになります。
それから南部連合は、史実を見る限り南北戦争当時完全な農業国であり、資本の集積も進んでいませんでした。ですからさんが仰った様に、南部における石油資源は単なる輸出資源と化している可能性があります。最悪の場合、ロックフェラーによるスタンダート石油(史実では1870年設立)そのものが存在せず(彼は東部の人間だったと思います)、ヨーロッパ資本の草刈場と化している可能性が高いです。
またその基盤である農業も、史実では綿価格の急落によって南部農家は貧窮を強いられました。その結果北部に大量の労働者が流れ込むのですが、この世界では行き場が無く、これまたやむなくヨーロッパ資本の労働力と化す可能性があります。おそらく南部連合は英国をはじめとする欧州列強のの半植民地状態と貸していることでしょう(あ、だからヒトラーと手を組んだんだな)。

続いてスペインですが、好き勝手やったおかげで史実とは相当違う国になっています。南米との貿易のおかげで資本の蓄積が進み、産業革命がかなり早い時期に開始されたおかげで完全な工業国になっています。ただ、余りやりすぎてもなんなので国力はフランスと同程度にしました。いや、植民地(と、本国との航路)があるだけでこんなに変わるんですね。おそらくこの国の基本方針は、大国の傘の下で争いから身を避けつつ商売に励むことでしょう。元々史実でもヨーロッパの争いにおいては自らを傍観者とみなしていた国ですから。アメリカ(フィリピン)やドイツ(キューバ)に植民地を取られつつも、戦争が終わったら実はこいつが反日英側では勝者だったってところでしょうか。10年もあれば内戦の傷もいえているでしょうし。

で、ロスチャイルドなんですが・・・手がつけられません(笑)アメリカの資本主義が進んでいない状態では世界最強でしょう。まず、当時のロスチャイルド家はヨーロッパ最強の金融資本でした。その事業は国家を左右し、傘下の会社には「世界最大」などという冠がつく大企業がごろごろしていました(日露戦争における日本国債の引き受け、世界のダイアモンドを独占販売するデ・ビアス、世界最大の保険会社アライアンス、イラクの石油を開発していたロイアル・ダッチ・シェル石油…etc)。つまり、おそらく第三次世界大戦後は、世界最強の企業グループになっているでしょう。接触戦争で北米が吹き飛び、第1次オリオン大戦でヨーロッパが巨大なクレーターと化しても世界3大財閥でありつづけるでしょう(私がほらを吹いていると思った方はどうぞ近くの図書館か書店でロスチャイルド家について扱った文献をあたってください)。
おそらく宇宙開発時代における世界三大財閥の胸の内はこんなものでしょう。
北崎「世界最強の金融資本?ほうっておけ。どうせロケットはウチの独占だ。宇宙の海を支配するのは北崎だ!」
ロスチャイルド「吾らが後輩達は宇宙を支配しているのは彼らだと考えているようですね。いや、お若いですねえ。ロケットをいくら独占しても、私達のエネルギー技術やISSをはじめとする惑星社会の基盤作りのノウハウ、そして資本参加無しで開発が一歩も進まない事をご存知無いのでしょうか?」
来栖川「ロケットの独占?植民惑星開発にロスチャイルドが関わらぬものはない?それは大いに結構。しかし、貴方達のシステムを運用、維持しているのは全てわが社のロボット達であるという事実をお忘れなく。」
こうして「北崎が運び、ロスチャイルドが開発し、来栖川が設備を維持する」という分担作業が成立する…。冗談でなく「この帝国は千年続くだろう」って感じですな。