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〈栞〉

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アイスクリーム専門給糧艦〈栞〉

(元ネタ 「Kanon」(key)より美坂 栞)

 合衆国の崩壊により名実ともに「太平洋世界の大日本帝国VS大西洋世界のドイツ第三帝国」の世界大戦となった第三次世界大戦。両帝国とも当然のことながら自国軍のみで戦うことはできず、必然的に多国籍軍を編成することになった。給糧艦〈栞〉はその事情を受けて作られた艦である。

 当初、本艦は〈香里〉級の後継として建造の予定であった。しかしながらネームシップの〈栞〉に関しては少々事情が異なった。
 第三時世界大戦前半において分裂した合衆国(西アメリカ合衆国)と大日本帝国連合艦隊との共同作戦は、主にカリブ海方面で行われた。この多国籍軍において、問題となった事情のひとつに食糧がある。単純な話だが、日本と合衆国では食べ物が違う。これは菓子の類においても同様である。ご存知の通り、連合艦隊所属艦には、南方での作戦行動に備えて、ラムネの製造機がつけられていた。これは、かつて合衆国海軍のアイスクリームに相当する。ところが、この装置は大型艦にしか備え付けられておらず、小型艦には専用艦が供給していたわけだが、分裂した合衆国にはそのような余力はなかった。そこで日米親善の意味も兼ねて、建造中の〈栞〉のアイスクリーム専門給糧艦としての改装が決められた。

 本艦はカリブ海に展開する合衆国三軍から絶大な人気を得た。「第一機動艦隊が支援に来る」より「〈栞〉が三日間近海に滞在する」ということの方が喜ばれたというエピソードも存在する。ただし、親善のために立ち寄ったメキシコでは余り芳しい反応を受けていない。これは、艦長の方針により艦内では辛味系の食材の使用が禁止されていたためである。タバスコにいたっては「人類の敵」扱いされる始末であった。このため、中米諸国兵には評判はよろしくなかった。
 後に戦局の焦点が北大西洋、英国近海に移るにつれ、〈栞〉もその活動範囲をアイルランド近海に移すようになった。普通、「誰がそんな寒いところでアイスなんか食べるんだ?」と誰しも思うところだが、意外にもそこそこの人気を博した。カリブ海で戦った将兵にとって〈栞〉のアイスは安らぎの象徴であったのだろう。ただし、その影響か、〈栞〉の医務室には腹痛で訪れる将兵が後を絶たなかったという。そのためか〈栞〉の医務室には(いったいどこに積み込んでいるのか)病院船並みの医薬品(ただし、ほとんどが胃腸薬)が積みこまれていたという。

  本艦は、第三時世界大戦における最後の激戦となった英本土奪回作戦、<アークエンジェル>に参加した。本来ならば、防御力の弱い本艦はオークニー待機の予定であったが、艦長の上申、「1週間だけでも普通の艦として扱ってください」により参加が決まった。
 この作戦が終わりかけた2月1日未明、支援部隊は残存ドイツ潜水艦の総力を挙げた襲撃を受け、本艦も大破、空母〈グローリアス〉艦載機の英雄的行為で沈没こそ免れたものの、航行不能となり、処分されることに決まりかけた(〈栞〉艦長の方も「起きないから奇跡って言うんですよ」と、足手まといになることから自沈を主張した。)が〈宮月。艦長の上申――「Uボートの巣と化した海域からの奇跡を起こしてみせる」――及び〈栞〉を見方の手で処分することによる士気の低下。そして何より〈グローリアス〉艦載機の最後の通信を考慮した結果、曳航されることになった。〈宮月〉はその約束を守るべく奮戦を続け、〈栞〉は奇跡的にレイキャビクまで帰還し、再びもとの給糧艦として復帰し、終戦までアイスクリームを作り続けた。