トップ 新規 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

〈朝倉《Ar707E3》純一〉

ヘッドライン

最近の更新

各種艦艇 / 〈長岡《加賀》志保〉 / 大ドイツ連邦軍指揮体制私案(2015年) / 世界設定 / ヘーアに関する覚え書き / クリーグスマリーネに関する覚え書き / ルフトヴァッフェに関する覚え書き / 大ドイツ帝国の年代別状況 / その他兵器 / 日本帝国陸軍歩兵火器に関する設定案

アラド〈朝倉《Ar707E3》純一〉 Arado Ar707E3 Bewachungflugzeug

Circus「D.C.〜ダ・カーポ〜」朝倉 純一

ダ・カーポ

 ドイツ空軍の早期警戒機。空中給油機能も併せ持ち、「かったるい」と言いながらも空軍のヒロイン達を援護し続けている。なお、日本統合航空軍では本機を「物体Y」と呼んでいる。

 Ar707は、ルフトハンザを始め、エール・フランス、アリタリアなど、欧州諸国の航空会社で用いられて民間旅客機の傑作とたたえられている(注1)。その前身はドイツ空軍の黄色爆撃機計画に参加したアラド社が提出したE707である。
 E707はクラス好拭璽椒献Д奪硲贈唯廝娃横坑辰鬘挟陝⊆舁祺爾犯翼両脇に装備し、35度の後退角を付けられた主翼を低翼に配置、主翼端には「リピッシュの耳」こと小翼片を持つ、日本統合航空軍の〈飛鳥〉に劣らない高性能爆撃機であった。しかし採用はならず、設計図は一旦金庫にしまい込まれたが、休戦後に旅客機の原型となったのである。
 つまり、〈朝倉《Ar707E3》純一〉は「魔法使いの孫」と言うべき存在なのだ。


 〈朝倉《Ar707E3》純一〉は毎分6回転する直径9.14mの円盤形レーダーを、機体上に支柱を介して搭載している。対空捜索レーダーはパルス・ドップラー・レーダーのFuG271/1〈ブレーメンA〉で、低空では200km、高空なら300kmに及ぶ監視能力を有する。全生産32機中、後期型の10機は洋上監視能力をも持ったFuG271/2〈ブレーメンB〉を搭載している。
 本機の特異なところは、単なる早期警戒機にとどまらないところにある。自らのレーダーで多数の空中目標を捕捉、さらに友軍戦闘機、地上監視衛星、地上レーダーFuMG445〈キルシェヴァッサー〉の情報も加えて機上の大型コンピュータで情報を処理、友軍戦闘機の迎撃管制を空中からおこなう。こういったところは、フランスのボンバーディアBDE707〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉と変わらないが、〈朝倉《Ar707E3》純一〉は欧州全土と北米東部を覆う防空システム〈ワルプルギス〉(注2)のみならず、大西洋両岸に張り巡らされたコンピュータ・ネットワーク〈ユグドラシル〉の最深部へのアクセス権を有しており、自らも〈ユグドラシル〉の一部として機能することで強力な情報処理をおこなうところに特色がある。

 〈ユグドラシル〉とは、ドイツ本国だけでなくイタリア、フランス、スペインやスウェーデン、スイスといった中立諸国にまで接続して情報を収集し、ファシズム体制を維持する基幹システムである。端末から中枢までに四階層を成しており、当初は大樹の根のような上意下達式の回線だったが、反応弾戦争時の生残性を考慮して網状システムへと変貌した。
 ヒトラーとNSDAPが政権を取った理由については、フランスにいじめられていたとかを始めとした種々の理由が上げられるが、ドイツ人の夢想的な性格がその一つに上げられる。ナチ体制下では下記の意味の宣伝が繰り広げられ、ドイツ人を虜にしたのである。
「この世界は生きにくい。夢を語ることもむずかしい。叶えることそのものは奇跡に近い。
 当たり前から逃げたい。普通は嫌だ。働くことは面倒だ。なんてツマラナイ。オモシロクナイ。この世界。わくわくするような冒険がしたい。
 だったら、本物の夢を見せよう。花は一年中枯れず、奇跡が起き、人を超えた力を持つ者が現れる夢を。
 人が人を大切に想うことが力になる、そんな世界。
 願えば叶う。祈れば通じる。一人一人の力は足りなくても、たくさんの心があれば、みんな幸せになる!」
 そう、ドイツ人は「普通は嫌だ」と願い、その願いは叶えられ続けた。それを必要としなくなるほどに民度が上がるまで。また「小さな神」と化した中枢機能が重みに耐えられなくなるまで。
 その果てに、ファシズム体制は桜の老木が枯死するように瓦解した。

 〈ユグドラシル〉に接続しているということは他人の夢を強制的に見せられるようなものだが、これにより広大な戦線全てにおける友軍機個々の状況を把握して、苦戦している空域に適切な援護を差し向けるなど、大いに威力を振るった。特にFw401〈朝倉《ファルケ》音夢〉に至っては〈朝倉《Ar707E3》純一〉との自動的なデータ・リンクを前提に作られおり、時に〈朝倉《ファルケ》音夢〉の情報が〈朝倉《Ar707E3》純一〉へバック・フラッシュしてしまって本機のコンピュータに強い負荷をかけてしまう程、密接な関係にある。
 時には、本機を「お兄ちゃん」と言って慕っている〈芳乃《ラファールD》さくら〉と並んで飛んでいるところを〈朝倉《ファルケ》音夢〉に見とがめられ、負のオーラ全開で高速対レーダー重ミサイル〈ヴェルターブーフ〉を投げつけられる羽目にも陥っているのだが。
「被害者氏名確認。〈朝倉《Ar707E3》純一〉…」

 空中給油方式はGETTO軍標準のドローグ方式。空中給油機としては本職の〈Ar707K3〉に劣るが、主翼両端からドローグを繰り出して同時に2機への給油を可能としている。
 しかし、給油は自機のタンクから燃料を割いておこなうので、やりすぎると自分が行動不能になる恐れがある。事実、1995年のクリスマスにおこなわれた一大航空作戦「アルティメット・バトル」の枝作戦「ヴァイナハテン・パーティ」では、行動不能寸前になるまで主攻撃部隊の〈朝倉《ファルケ》音夢〉へ燃料を供給している。
 さらに96年春の「クランケンハオス」作戦では、給油ポットを用意してきた〈水越《Me111LV》萌〉の世話になっている。空中給油機としての尊厳を失ったと、涙を流して屈辱をかみしめたのだった。

 かくて、〈朝倉《Ar707E3》純一〉は防空管制システム〈ワルプルギス〉の中枢(の一部)として機能し、苦闘するヒロイン達を陰に日向に援護し続けた。特殊戦術偵察機〈杉並《Me111MR/D》〉(注3)と漫才をやりつつ、ダ・カーポのように最初から繰り返しながら、今も欧州半島と大西洋上空を飛び続けている。


注1:Ar707の成功はアラド社の巨大化の原動力となった。21世紀現在、ドイツ航空産業の内、大型旅客機はアラドの独占状態となっている。軍用機では北ドイツの航空会社を糾合したフォッケウルフ、南ドイツ航空連盟の発展したドイッチェ・エアロスペースがあるが、アラドはダイムラー・クライスラーと共にドイッチェ・エアロスペースへ出資している。
注2:〈ヘキセンタンツプラッツ(魔女の舞踊場)〉とも呼ばれている。〈ワルプルギス〉とは、空中目標と迎撃機との乱舞の様が、魔女達の饗宴のように見えたところから命名された。ハルツ山地の岩塩坑跡に巨大な中央管制センターが設けられており、〈キルシェ・リーゼ〉の符丁で知られている。
注3:メッサーシュミットMe111の機体を強化し、合計推力30トンの強力なターボジェットを積むことでマッハ3近い高速を発揮する戦術偵察機。機体全体が紺色に塗装されている。腹部に斜角カメラや赤外線カメラを積んだ偵察ポッドを抱え、戦術情報を収集して帰還することを任務としており、「大佐」とだけ呼ばれる正体不明の人物へ情報を報告する。日本軍では「物体X」と呼称。ドイツ空軍全体からも敬遠されており、まともにつきあうのは〈朝倉《Ar707E3》純一〉くらいなもので、ルフトヴァッフェ七不思議の一つ「開かずの扉」空域を抜けてロシア上空から常夏のカリブ海へ一緒に転移していたりする。とはいえ、〈杉並《Me111MR/D》〉の機載コンピュータに干渉してありもしない情報を与え、電子戦士官が「対サイボーグ気功術か!」と狼狽した隙に機体制御を乗っ取って強制着陸させるなど、時として友達甲斐の無い行動を取っている。

要目

  • 全   長 46.61m
  • 全   幅 44.82m
  • 全   高 12.73m
  • 重   量 83,658kg
  • 全備重量 151,953kg
  • エンジン  ユンカース ユモ033Gターボファン(9,525kg)×4
  • 最大速度 852km/h
  • 航続時間 11時間
  • 乗    員 22名
  • 生産機数  32機