トップ 新規 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

〈雪村《ミラージュ2000》小町〉

ヘッドライン

最近の更新

各種艦艇 / 〈長岡《加賀》志保〉 / 大ドイツ連邦軍指揮体制私案(2015年) / 世界設定 / ヘーアに関する覚え書き / クリーグスマリーネに関する覚え書き / ルフトヴァッフェに関する覚え書き / 大ドイツ帝国の年代別状況 / その他兵器 / 日本帝国陸軍歩兵火器に関する設定案

ダッソー 〈雪村《ミラージュ2000》小町〉(Dassault Mirage 2000Multi-Role Combat Fighter ,France)

(元ネタ「それは舞い散る桜のように」(BasiL)より雪村 小町)

 現在フランス空軍の主力戦闘機の地位を占める軽戦術戦闘機。ミラージュシリーズの成功によって戦後フランス機の「幼馴染」的存在となった無尾翼デルタ機の最新版にして最大のヒット作でもある。

■デルタ翼の幼馴染

 第三次世界大戦後にフランスの主力戦闘機となった〈榊《ミラージュ掘婉棔咾浪良を重ねながら文字通り戦後フランス空軍の「幼馴染」として君臨し、また中東戦争やインド・パキスタンの戦争などに登場し、戦火の中で評判を高めていった。
 三角形を基調にした無尾翼デルタは構造を軽くでき、付け根の翼幅や主翼取り付け部分が非常に長いためにねじれに強く高速時の抵抗も少ないという高い素質を有し、横風にも強いために低空での対地攻撃時もブレないという利点もある。この無尾翼デルタを新たなる概念と技術によって新世代へと踏み出したのが〈雪村《ミラージュ2000》小町〉
 しかし採用までの道のりは平坦ではなかった。当初、〈榊《ミラージュ掘婉棔咾慮綏僂砲蓮劵潺蕁璽献絖沓裡如(NGとは新世代の頭文字)が有力とされ、ちょうど同世代のスペインのNH820〈タイガーシャーク。をライバルとしてエアショーなどでは激しい売り込み合戦が行われていた。
 このときデルタ1000と呼ばれていた〈雪村《ミラージュ2000》小町〉はというともともとデルタ翼機の訓練用や練習用として開発されており、安価、軽量を第一としたおとなしい機体としてケベック共和国・ラプラドルのテスト場(※1)ではいつも他機に隠れるような形でおどおど飛び、周囲でテストされている機体の輪の中にも入れず一人寂しく雪の中で孤独にテストされていた。
 だがこの機体の素質を見抜いた者がいた。ケベックに本社を持つビジネスジェット機メーカー、ボンバーディア社であり、そして同時にテストされていたビジネスジェット機BD700〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉の関係者だった。
 「おいで」
 手招きするようにデルタ1000は〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉と共にケベックの雪の中、空へと駆け上がった。

 当時のフランスの主力機である〈二見《ミラージュF1》真魚〉はかなり成功したものの、輸出では日本や合衆国に遅れを取り、欧州ではドイツ機に押される状況、それを打開するためには〈榊《ミラージュ掘婉棔咾離灰鵐札廛箸卜ち返るとともに所詮改良型にしか過ぎない〈ミラージュ沓裡如咾任呂覆、1から設計しなおした最新技術の機体が必要だった。
 では何を次期戦闘機にする?双発軽戦闘機ACX(後の〈芳野《ラファールD》さくら〉はまだ開発を始めたばかりで時間がかかる。やはり小型単発の素直さと幼馴染のようなデルタ翼機でないとならない。「後輩」のような機体。それがボンバーディア社から打診があったデルタ1000。〈雪村《ミラージュ2000》小町〉と名づけられた期待はケベックの雪の中で全く別の機体へと成長していった。
 タイミングのよいことにブレンデッド・ウイングボディやフライ・バイ・ワイヤ、コンピューター制御といった新技術がフランス航空業界にも導入されることになり、これを生かす戦術戦闘機として〈雪村《ミラージュ2000》小町〉はすくすくと成長していく。
 58度の角度を持つデルタ形態こそ同じだが、翼面積を拡大して旋回性能を向上。デルタ翼の前縁に張り出し式のフラップを装備、後縁の分割式フラップとともに機動性を強化。デルタ翼の欠点である低速時の揚力不足と着陸時の不安定さ(大きく機首を上げないと失速する)を是正。エアインテイク横に取り付けられたボルテックスフィンと呼ばれる小型の小翼を高くなった垂直尾翼。油圧を高めて小型軽量化を図ったシステム系統。機首上げ時や不整地での着陸能力を上げるためにタイヤ部分を改良した主脚。デルタ1000時には実にか細く見えた機体が次に現れた時は正反対に積極的、あたかも少女が成長するかのように見違えるように洗練され、高性能の機体へと成長。エンジンも当初の構想であった「すでにあるエンジン(M53)を使って開発期間を短くする」がテストの影響で遠回りになったおかげで出力の高くなった新型エンジン(M88)を搭載することが可能となり、これと同時に行われた機体の軽量化により推力重量比1を超える強大な機動力と約8トンに達する大搭載量が〈雪村《ミラージュ2000》小町〉にもたらされ、「すごいんだな」「レッドカードだ」と言われるほどに成長させることとなった。
 ほぼ同時に開発され、〈橘《ミラージュ検嬪F燹咾函卞鷂《ミラージュG8》真魚〉の後継機となった双発大型の〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は極めて高性能だが「高嶺の花」「プリンセス」と呼ばれるほど機体価格が高く(それでも同世代の他国大型戦闘機よりは安いが)、数をそろえて輸出も考えるともう一つ別の機体が欲しい。
 そこに「いつでもおそばに参ります」的使いやすさと安さを持った〈雪村《ミラージュ2000》小町〉と併用するという「ハイ・ロー・ミックス構想」が生まれる。下世話に言えば「ダブル・ヒロイン」とでも言うべきものだがどこの国でも考えてしまうのが人間の性ともいえる。

■成長する乙女

 〈雪村《ミラージュ2000》小町。は1981年から実戦配備が始められ、複座で地上攻撃を主任務とするD型を加えて配備は順調に進んだ。それとともに〈榊《ミラージュ掘婉棔咾旅洪靴盞鵑佑得儷謀に輸出も行われ、親GETTO諸国のみならず親PACTO諸国にも連邦フランスを通じて輸出を働きかけるといういかにもフランスらしいしたたかな(というより見境がない)戦略をとっている・このためインドとパキスタン、ギリシャとトルコというライバル国が両方〈雪村《ミラージュ2000》小町〉を輸入するというややこしい事態となったが、幸いなことに同士撃ちはいまのところ起こっていない。
 このうちイラクに輸出された機体はそのままイラン・イラク戦争で出撃、イラン側のF16〈御陵《ファイティング・ファルコン》明里〉と空中戦を演じており、フランス当局(顧問団)は圧勝と宣伝したものの実際のところは湾岸戦争でイラク側資料が吹っ飛んだために不明である。ただし対地攻撃では宣伝どおりだったらしく実用性の高さから来る出撃回数の多さはイラン側を「やかましくてたまらん」とうんざりさせ、特にイラクが勝手に生産した(注2)特殊対地ミサイル〈ハンムラビ〉の威力は絶大そのもので、しばしばイラン陸軍部隊を悶絶させている。
 この戦争やフォークランド/マルビナス紛争での戦訓はフランス、そして〈雪村《ミラージュ2000》小町〉にもフィードバックされ、レーダーを当初のトムソンRDMからルックダウン能力の高いRDY探知・航法攻撃複合レーダーに換装。アンテロープV-地形追従レーダーを装備して超低空からの銃撃や対地ミサイル攻撃を可能にした〈雪村《ミラージュ2000-5》小町〉が開発、配備された。この方ではエンジン能力も向上し、ストーカーのごとき機動性能と強力な音声通信能力、主翼下に追加装備できる発射速度の速い(分/2000発)OTOブレダ機関砲は低空からの攻撃が極めて有効なことを示したフォークランド/マルビナス紛争の教訓の産物だが、この機関砲と音声データリンク能力はWW犬如屮泪轡鵐ン」の異名をとるほどの活躍をみせる。
 なお、ドイツのLGJには最初〈雪村《ミラージュ2000》小町〉で参入する予定だったがフォッケウルフFw401〈朝倉《ファルケ》音夢〉と模擬空戦をした時に戦闘前の説明でダッソー社担当がしゃべりまくり
「地上姿勢は白鶴、着陸性能は隼、空飛ぶ姿は大鷲のよう、使いやすさは…」
「や・か・ま・し・い」
 といった感じでドイツ側を呆れさせ、肝心の戦闘では「裏モード」を発揮させた〈朝倉《ファルケ》音夢〉に叩き落されてあっさりボツになっている。性能的には大差がない(搭載量はむしろ上)のだが、「性格」の差、あるいは一説によると「妹」と「後輩」との差(理由不明)が勝負を分けたというのがもっぱらの評判である。

■行動する乙女

 第四次大戦においても〈雪村《ミラージュ2000》小町〉は米大陸に欧州に縦横に活躍している。
 大戦開始直後、ドイツ海空軍はアイスランド空襲作戦「ヴェットベヴェルブ(コンテスト)」を行うことになったが、英本土からの攻撃でアイスランド空襲の背後を疲れたり、逆にノルウェーが空襲を受ける可能性は高い。
 アイスランド空襲と同時に英本土の航空基地をできるだけ叩き、開戦後の優位を得る。これがアーム・ド・ラエルと居残りのルフトヴァッフェに課せられた任務だった。
 敵国の機体が英本土に空襲をかけるのは実に54年ぶり。飛んで来る航空機もMe109から〈雪村《ミラージュ2000》小町〉〈朝倉《ファルケ》音夢〉に移り変わっていたが、54年たっても変わらないものがある。それは制空権を取ったものが勝つということ。
 ボンバーディアBDE707〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉が音頭を取り、〈雪村《ミラージュ2000》小町〉が短い海峡を越えるとkey〈Air-供團織ぅ奸璽鵝奸咾迎撃に出てきた。ちょうどフォークランド/マルビナス紛争と〈榊《ミラージュ掘婉棔咾やったのと同じパターン。そのときから比較さしてさらに強化された機動性性能と強力な機関砲を生かしたジェットコースターのような空中戦は〈Air-供團織ぅ奸璽鵝奸咾紡个靴動貶發皸かない実力を発揮。「あのやかましい機動戦闘はとても我々には出来ない」と敵側から皮肉られるほど。北米側でもケベック=カナダ戦線のみならず東部連合の支援にもよく現れ、〈桜井《グローバルサーチ。舞人》からの妙な指揮を貰いつつ、あらゆる任務をこなしている。
 時にその攻撃力から熱血漢で知られる小距離迎撃機グラマンF-14〈牧島《マックス》麦兵衛〉(注2)からの横恋慕もあったものの、一途に〈桜井《グローバルサーチ。舞人》を受けるその姿からでは〈剣《ジャガー供媾次咾里修譴箸楼磴ぁ◆卷凖隋團泪奪ス》麦兵衛〉の行動は最初から切れない絆に挑戦するかのような物だった。
 そのことは夏のハリファックス沖迎撃戦以後、〈牧島《マックス》麦兵衛〉が海軍支援のために航空戦から去ったことからも伺える。そして〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉はその事に気づいたのだろうか?おそらく気づいてはいたではあろうが言いたくはなかったのだろう。何せ後ろから〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉の「ジト目」を貰っているようではなかなか行動できないのも当然か。
 〈雪村《ミラージュ2000》小町〉の方はといえば電子機器とレーダーを強化、機動性を高めてボルテックスフィンを撤去。このためまるで子供時代に戻ったかのような外観のG型が夏以後に配備された。この機体は対地支援ではなく空対空戦闘を重視したため今までのやかましさはなくなり、フランス本国から支援のため急行できる航続性能を合わせて敵側が驚くほどの性格変貌を遂げている。

  もちろん勝利ばかりではなく「〈雪村《ミラージュ2000》小町〉は馬鹿ですから」と言い訳する場面もあったが、そのやかましいまでの戦闘能力、そしてどこにでも駆けつける健気さは地上部隊や航空部隊、そして〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉から「そばにいて欲しい」とばかり信頼を得たのは当然といえるだろう。
 第四次大戦後、「決してひとつにはならない」と呼ばれた両フランスは統一。それとともに世界的な軍縮の中、新生フランス空軍も安くて使いやすい〈雪村《ミラージュ2000》小町。を使い続けることとなった。G型はステルス性と全天候能力を強化したS型に生まれ変わり、21世紀に入っても主力として活躍することが決定、フランスでは久々の一千機を越える生産が行われ、15ヵ国以上への輸出もなされている。
 後継となるべき軽量万能機〈川原《シムーン》瑞音〉はダッソー社のお家騒動によって開発が中断し、代わりに開発されている〈ネリネ〉と〈リシアンサス〉にしても予算と必要性の板ばさみで開発はスローペースであり、たとえ量産されても主力にまで増えるのは相当な時間がかかるだろう。
 〈雪村《ミラージュ2000》小町〉はずっとフランス空軍、いやフランス機の代名詞として飛び続けるだろう。どこまでも、そう、ヴァルハラの果てまでも。

♯注1 広くて人がほとんどいないラプラドル半島には色々なテスト場が設けられている。
ちなみに「雫の内側」と基地名を欺瞞するためのコードネームが付けられた

♯注2 イタリアから輸入した対地ミサイルにスペイン製弾頭とシーカー、フランス製電子機器を強引に合体させたミサイル。パスタにタバスコやチーズをヤケクソに混ぜたような代物ともいえる。

♯注3 東部連合のF-14〈剣《ジャガー供媾次咾鬟侫薀鵐垢空母適応のために試験購入した物の、肝心の空母が「平手打ち」を食らわせて同機を拒否したため行き場を失い、長距離迎撃機として〈結城《シグーネ》ひかり〉と同様の電子機器とレーダーを載せたもの。主要目は〈剣《ジャガー供媾次咾箸曚榮韻検

■データ(C型)

全幅 9.1m
全長 14.9m
全高 5.50m
自重 7890
最大重量 17900
発動機 SNECMA M88-P2(推力7350圈■繊殖贈隠横僑沓悪)×1基
最大速度 M=2.3
最大航続距離 1770km
武装 30弌。韮稗腺垉ヾ慄ぃ果
   AAM×6 または各種爆弾など7800圈▲蓮璽疋櫂ぅ鵐硲
乗員 1名

■各タイプ

B型:複座の練習機型C型:空軍向けの単座戦闘機型
D型:複座の攻撃機型
DA型:複座の防空戦闘機型
DA-5型:単座の全天候戦闘機型
DA-5D型:機関砲を主翼下部にも装備した地上攻撃型
E型:輸出向け。C型に準じたものとD 型に準じた物がある。
F型:連邦フランス向け。同国は採用せずPACTO系諸国への輸出用となる
G型:機動性を高めた戦闘機型。ボルテックスフィンを撤去
S型:ステルス性を追加した全天候戦闘機型