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〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉

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アエロスパシアル〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉<Aerospatiale Super Mirage>

BasiL「それは舞い散る桜のように」星崎希望

解説

 フランスのメイン・ヒロインの地位を張る主力制空戦闘・攻撃機。フランスらしい端整で理想的な機体形状、世界屈指の空戦能力を持つその姿はプリンセスと讃えられる存在である。

デルタ翼のプリンセス

 開発名デルタ2000、後の〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は〈二見《ミラージュF1》真魚〉と〈二見《ミラージュG8》美魚〉の姉妹戦闘機の後継であり、正統的な空戦能力を第一義とし、侵入してくる敵攻撃機を撃退。更に必要なら対地から対艦攻撃をきさくにこなす。そしてフランスの外交戦略の一員として輸出をはかり、特に世界における大型戦闘攻撃機市場への投入を目指して開発された。
 当初は〈二見《ミラージュG8《美魚〉の発展形ともいえる可変翼機が提案されたが複雑かつ重量増加に繋がる可変翼の問題は同機でコリており、またステルスに関しても(この時点では)性能、特に搭載量の低下は受け入れられるものではない。結局ミラージュシリーズ伝統の素直なデルタ翼形状をとりつつ新時代に対応できる性能を追求する道を選び、まずダッソー社でデモンストレーターとして〈二見《ミラージュF1》真魚〉と同じエンジンを積んだ先行試作機〈狭川《ミラージュ4000》翠〉が製作され、テストを兼ねて後にFw401〈朝倉《ファルケ》音夢〉に取り入れられた「鈴(シェレ)」と呼ばれる敵味方識別装置や「ねこみみ」と呼ばれた全遊動式カナードといった試作装備を積んで各地の航空ショーでウェイトレスのように先導機として参加。その経験を生かして実用機となる〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉が開発された。
 機体平面図は理想的なデルタ翼に全遊動式のカナードを装備する洗練された姿は〈狭川《ミラージュ4000》翠〉同様だが、絞り込まれたブレンデット・ウイングボディは「その成形は反則だろう」「何あれ、飛行機?」と見る者を驚かせるほどの素晴らしい形状をそれとなく見せ付けることに成功。もちろん外見のプロポーションだけではなく構造材料にアルミ・リチウム合金やボロン、カーボンといった軽量新素材や高圧駆動の油圧システムを採用し、機体の軽量化に努めている。
 エンジンはやや出力不足気味だった〈狭川《ミラージュ4000》翠〉のM53からより大出力のM90-4に換装。この最大約18トンの推力を叩き出す強力なターボファンエンジンは開発資金を惜しみなく投入し、ためにエンジンメーカーのSNECMA社が一時経営危機に陥るほどの代償を払っても技術強化に努めたフランス航空業界の成果ともいえる産物であり、これを双発装備した〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉の推力重量比(エンジン推力を離陸重量で割ったもの)は1.5を超え、この数値が裏付ける強大な機動力、高い上昇力は「最初の作品(MD550)と平面図が変ってない」「設計がみんな同じで見分けがつかない(*注1)」といったやっかみを吹き飛ばすほどの性能を生み出している。
 ただしこのM90エンジン、日本のフ41Fターボファンに匹敵する推力を一回り以上小さい直径で発揮するため構造が複雑で扱い辛く、高出力時にしばしばタービンファンが「くきぃぃーっ!」とうなる癖があり、ドイツ、日本などからは「〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉はあの叫びがいいんだ」「あれがないと〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉じゃない!」と妙な評価を賜っている。
 この強力なエンジンに支えられた双発・大型の機体だけあって機首内部もスペースを広くとれ、内部には直径102cmもある大型・高性能(*注2)のトムソンCSF/JLレーダーアンテナを収めており、このフェイズド・アレイ方式のレーダーによって約185kmの捕捉能力を持ち、和風亭を一人で切り回すようにお客(敵機)に対して適切な迎撃方法を選択、攻撃、撃墜という名のお代をもらえるように独立戦闘能力を付加されている。
 もちろん、お客を迎えるためのメニューも充実しており、まずはフランス機独自のGIAT・30mm機関砲を二門。1700発/分ほ誇るドイツのマウザー27mm機関砲に比べて発射速度は1200発/分と遅いが、その分弾重や炸薬量を増やして攻撃力を増やしてカバー。機体下と翼下に並べた11箇所のハードポイントにはマトラシリーズやツヴェルク系の空対空ミサイルが基本となるが必要に応じて爆弾、ロケット弾ポッド、AS30L、APACHEなどの空対地ミサイルと豊富かつ強力な兵装を装備、運用できる。
 なおフランス機の弱点とされた航続距離の短さもデルタ翼内から胴体、果ては垂直尾翼内にまで燃料タンクを詰め込むことで〈榊《ミラージュIII》芹〉と比較して航続力は実に3倍、余裕で大西洋を横断して北米大陸まで(無給油で)飛んでいける能力をフランス戦闘機としては始めて獲得し、迅速な戦力展開に貢献している。

進級

 1975年に試作機が初飛行した〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉はフランス空軍とケベック空軍に合わせて350機が引き渡されたが、さすがに双発大型機、かつ贅沢な機能と材料を使ったために値段がかさむのは仕方ないことで、配備はもちろんスローペース。それゆえに配備された部隊は他から羨望の的で見られることしばしばだった。そのため使いやすく安価な〈雪村《ミラージュ2000》小町〉との実質上の「ダブルヒロイン」を構成。しばしば二機が並ぶシーンが宣伝画像等で公開されている。
 もちろん前述の通り大型機市場への輸出攻勢も盛ん(節操無しともいう)に行われたが、〈雪村《ミラージュ2000》小町〉と比較して1.5倍にもなる価格はさすがに売りつけるには厳しく、サウジアラビアへの92機、イラクへの40機のみ。しかもイラク分はイラン・イラク戦争によってキャンセルされるという不運に見舞われた。
 上記のように輸出に関しては不調でも、フランスに限ればメイン・ヒロインの地位を確保した〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉だが、90年代に入るとステルス性能の向上と更なる多用途性能、何よりフランスとケベックの両軍首脳の会議で将来の航空機に対して文化祭のごとく色々と催し物が出せる汎用性を求めるか、それとも小型・単能でいくかで揉めた時、ボンバーディア社から代理でやってきた〈桜井《グローバルサーチ《舞人〉開発者からの「何事にも不安要素はある、それよりメリットを一つでも多く探し出しなさい」という提言により、多用途性能を強化した〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉の発展型が開発されることとなった。これがD型で第四次大戦におけるフランス/ケベック軍の主力戦闘攻撃機となった。
 伝統のデルタ翼は利点も多くそのままとされたが、大きな一枚の垂直尾翼は明らかにステルス時代では不利であり、また多用途ともなると主翼下ハードポイントにもっと大きな装備を取り付けたい。理由はともあれ制空戦闘機といえども対地攻撃の一つでも身に着けて戦闘攻撃機に「進級」しないと戦争はやっていけない。ステルス性に不利な大型の垂直尾翼をやや低く小型にし、これにともなう機動性の確保と飛行性能の改善を狙って新たに大型のウイングレットを主翼左右端に装着。同時に低翼配置だった主翼の取り付けを中翼配置に近い形に変更し、合計5枚の垂直尾翼を持った独特の機体構成に変化。操縦系統は複雑になるがその分機動性は強化。これによって同じようなデルタ翼でも(後ろからなら)一目で見分けがつく機体となり、塗装も今までの白地に赤のストライプを入れた「チンドン屋(日本の航空関係者談)」のような妙なパターンから電波吸収率を高めた白を基調とする清々しいパターンに変更。その性能の高さと秀麗さから「プリンセス」、他にも〈橘《ミラージュIV《唯奈〉の後を受けて核攻撃を担当する複座のN型は「最終兵器」と通称されている。

這い回る破滅

 第4次大戦では〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は主力戦闘機として各地で戦うこととなる。この時にはボンバーディアBDE707〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉(*注3)のサポートを受ける形で作戦行動をとり、データリンクのために垂直尾翼頂部にリボンのように左右に広がった電子ポッドが追加されたが、データ交換は日独より一時代遅れた音声誘導だったため、その分誘導にはかなりの話術が必要。よってフランス機が飛ぶと常に饒舌な会話が炸裂。特に〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉からの否定信号「ありえない」は第四次大戦の一種の名物ともなっている。
 北米航空戦ではケベック=カナダ方面を中心に、英本土攻撃や東部連合支援にも参加したフランス空軍の主敵となったのはイギリスの誇る可変翼戦闘機KEY〈AIR-2《タイフーン》〉。登場した時はその性能の高さから信者さえ現れる程の同機ではあったが、KEY開発の新作機の開発が遅延。代わりに「PC」だの「DC」、はたまた「PS2」といった改良型で食いつないでいる〈AIR-2《タイフーン》〉は陳腐化が著しく、KEYを超えろとばかりに「新作」で挑んだ独仏機達の前に敗北、「参ったか」と〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉のパイロット達に言われるのがオチ。この航空優勢を手にケベック軍は優勢に戦いを進め、陸軍は調子に乗ってかつて日英加軍を打ち破ったニピゴン湖まで進撃している。
 これに対し、英連邦軍は新型の〈遠野《チャレンジャー2》秋葉〉を押したて、オタワ河を下って一挙にケベックの中心部を衝き、そのまま南下して東部連合を北と西から攻め立てる作戦を立案。北米側がF22〈彩坂《ラプター》愛美〉のデビューによってPACTO軍優勢となり、フランス空軍の一部が東部連合支援のために南下したタイミングを見計らって攻勢をかけた。
 もちろんケベック軍とフランス軍もオンタリオ戦線の重要性をよく認識しており、「世界が〈シエル〉を死なせない」という宣伝文句で有名な陸軍自慢の〈シエル〉を配置、これを支援する航空隊を展開する布陣を展開していた。だが主力を成すべきケベック第一軍は遙か先にまで突撃して不在。さらには支援する空軍機のうち最強の攻撃力を有する〈八重樫《ヴルペス》つばさ〉のうちかなりの機数がミシシッピー攻防戦に引き抜かれている。そしてもちろんこんな内陸まで海軍はやってこれない。
 これがチャンスとばかり攻勢をかけてきた英連邦軍との戦車戦では常識を覆す5100メートルもの大遠距離から粘着榴弾をぶっ放つ〈遠野《チャレンジャー2》秋葉〉の前に〈シエル〉は大敗、空軍は慌てふためいて阻止攻撃に走る羽目になる。当然だが戦闘機も期末テストのような忙しい空中戦の最中に対地攻撃を掛け持ちらざるを得ない状況。
 そんな中、〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は戦闘機だてらに恐ろしく巨大な爆弾を抱えて戦線に現れた。
 「投下するんだよ」
 「それ、空軍で一番重い爆弾だろう?」
 確かにデータ上からすると〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は爆弾だと約8400kg(D型)を懸架できる。しかし見るからに巨大な・・・普通そんなもの、要塞とかビルを攻撃する時にしか使わない・・・5トン爆弾を抱えるとさしもの高性能機でも空気抵抗が物凄く、フルパワーでもよたよた飛ぶのがやっと。これで何をするんだ?
「本気を出さないと、追いつけなくなっちゃうから」
 確かに戦局は悪化しているのはわかる、敵戦車がモントリオールのすぐ近くまで突進。逆にニピゴン湖まで突撃したケベック第一軍は後方を切断され、フランス・ケベック派遣軍はトロントで釘付けにされている。速いとこ叩かないと突入されかねない。だからといって巨大爆弾をぶつければ戦果を挙げられる訳ではない、対地攻撃はそんな簡単なものじゃない。上空にいる〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉の通信員は呆れていた。
 そんな意見を無視するかのように〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は爆撃レーンに入る。爆撃モードのHUDに目標探知音が「ピキーン!」と響き渡る。
 「礫、殺っ。」
 投弾するというより「地面に置く」ように巨大爆弾を投下、恐ろしく重量感のある地響きを轟かせ、「それ」は転がっていく。巨大で丸いために「ボーリング玉」と呼ばれるその爆弾はだだっ広い平原を文字通りごろごろと転がっていく。
 だが遅い。投下した〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉が元の編隊を組みなおしてもまだ目標まで届かない有様。
「行く手を阻むものは全て蹂躙するよ」
「着弾するより先に投下機が編隊組み直せるような爆弾でか?」
 破滅を呼ぶ漆黒の巨大な球体は、忘れた頃に敵戦車隊へと辿りつく。一番近くにいた〈遠野《チャレンジャー2》秋葉〉が爆弾の炸裂で弾き飛ばされる。いくら最強装備で身を固めた戦車でも真正面からこんなものを食らえばボウリングのピンと同じだ。その1台がはじかれると衝撃と爆風で別の1台が煽りを食らって吹っ飛ぶ。そしてまた1台、また1台。見る間に10台の〈遠野《チャレンジャー2》秋葉〉が転覆し、誘爆し、蹂躙された姿に変わっていく。
 本当に蹂躙してしまった。巨大爆弾恐るべし。
「よし、今のは『這い回る破滅』と名付けよう」
 〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉と「ツートップ」と呼ばれる航空群を組む〈八重樫《ヴルペス》つばさ〉からの提言だ。呆然とする〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉やら〈遠野《チャレンジャー2》秋葉〉部隊。
「ぶいっ」
「やるなぁプリンセス」
 同じくMB337ECR〈相良《クレイブ》山彦〉。こちらは〈シエル〉とのデータリンク機能を持っているため素早く地上部隊に通信を送る。何を送ったのかわからないが猛烈な勢いで〈シエル〉が突進、混乱している英連邦軍を蹴散らししたために危ない所で戦局は押し戻され、後は一進一退・・・というか、合衆国軍の攻勢で今度は北米戦線が危機に陥ったため、フランス軍(と、英連邦軍)が今度はそっちの支援に力を注ぐこととなったからだが。

攻勢

 季節は巡る。冬も進めば白い雪が空に大地に舞う。だが戦いはそんなことを言っていられる状況ではない。膠着状態のカナダ=ケベックは今のところ落ち着いてはいるが、その南側で戦線攻勢に転じた合衆国・日本軍を食い止めねばならない。
 最終兵器とどこからか噂されるDa631A〈鷺澤《ウーフー》美咲〉(この時点では名称不明)がやってくるとか、ロシア戦線を片付けた部隊が投入されるとか、ドイツ側からは景気のいい話が舞い込んでいるが、そんなものは何の足しにもならない。今ある戦力を借り出して戦い、敵を食い止めねばならない。フランス空軍もデトロイトを基地にシカゴ救援のために連日合衆国や日本の同業者と正面から戦うこととなった。
 さすがに「プリンセス」と呼ばれるたけあって〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉の性能は屈指のものがあり、その能力を生かして三十七式〈鳴風《晨風》みなも〉やF15〈深海《イーグル》未緒〉といった同世代機に対して有利に戦いを進め、五大湖周辺の航空優勢を確保しつつあった。対してPACTO側も制空権を奪い返すために前進翼が特徴の四〇式戦闘機〈藤宮《剣光》望〉、そして合衆国最強の「女優」こと〈彩坂《ラプター》愛美〉を投入。シカゴやデトロイト上空で空中戦を繰り広げた。
 メンフィス航空戦でドイツ空軍を唖然とさせた〈彩坂《ラプター》愛美〉に対し、エンジン最大推力、推力重量比、最大速度。およそ航空機年鑑に載っているデータを比較すれば〈白河《アドラー》ことり〉部隊に対して「うそっこはいいよ、じきに真実の目撃者になるんだから」と言い返せすのもうなづけよう。カタログデータ上では恐ろしいことに〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉が大抵の数値で上回るのだから。
 だがいざシカゴ上空に爆撃部隊を護衛してやってきた〈彩坂《ラプター》愛美〉との戦闘に入ると〈彩坂《ラプター》愛美〉のステルス性能とベクタードノズルによる機動性、超音速巡航能力はカタログスペック・データを埋めてなお余りある実力を発揮。「プリンセス」といえども所詮はフランスという一国、言いかえれば閉じた「学園」での存在でしかなく、芸能界のような激しい競争に揉まれた「女優」には勝てなかったのである。そして戦闘後。
「4機落としたよ〜」
「ぷじゃけるな、たった4機か!」
 上空でボーイングE-767〈大崎《アウルネスト》玲奈〉に饒舌な音声妨害をかけていた〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉が呆れ返してきた。呑気というか何というか、こっちは何機落とされたんだと思っているんだ。14機だぞ。ドイツよりはマシとはいえキルレシオは3倍超えているんだぞ。
「考えすぎ」
〈八重樫《ヴルペス》つばさ〉から通信が飛ぶ。キルレシオはともかく防衛戦闘は出来たのだから、戦闘機対戦闘機で勝てなくとも爆撃機を阻止できればよい。
「ま、プリンセスでも出来ないことはあるさ」
 レーダーミサイルの代わりに対空ミサイルを装備してB47〈南条《ストラトジェット》紗也香〉を「ナンパ」してきた〈相良《クレイブ》山彦〉も同様。さすがに名機と呼ばれる〈南条《ストラトジェット》紗也香〉も実戦配備からほぼ半世紀。護衛をする〈彩坂《ラプター》愛美〉からすると「ずっと前の作品のヒロイン」であり、空中戦闘では勝っても爆撃任務を遂行出来ないことが多くなってきていたことは否めない。
 それはとりも直さずフランス側にも言えることで、ターボプロップのダッソー・ブレゲーBr1095〈汽京《ブレイゼ》紅葉〉が50年近くも現役で戦略爆撃機やっているような状況ではミサイルの撃ちあいは出来ても真の意味での都市空爆は遂行できず、結果的に開戦前とそんなに変わらない状態で大戦は終結を迎えることとなる。

 大戦終結後も〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉はフランスの主力戦闘機として〈白河《アドラー》ことり〉と共に欧州連合軍の主力として活動しているが、〈白河《アドラー》ことり〉が「PS2」や「TVA」といった発展型が開発されているのに対し、〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は大戦前から開発されていた「未来のプリンセス」こと〈水無月《ミストラル》瑛〉が後を継ぐ予定だったが、フランス統一から始まるダッソー社のお家騒動によって開発が中断、すったもんだの騒動(*注4)のうちに誕生したダッソー・ネーブル・アビシオンが開発するNMC/A01〈リシアンサス〉、NHC/A02〈ネリネ〉の両機(*注5)が次期戦闘機の候補に挙がっており、どちらかが採用されることになっている。だが〈リシアンサス〉にしても〈ネリネ〉にしても量産されて主力機の地位につくのは相当後のことになりそうで、改良を続けつつ〈星崎《シュペルミラージュ》希望〉は21世紀に入ってもまだまだお付き合いは続いていく。デルタ翼との遠き約束、そして(多分最後の)「ミラージュ」を名乗る機体として、離れず、忘れられないために。

 

#注1:マルセル・ダッソーは86年に没するまで全てのデルタ翼機に「ミラージュ」と名づけたため、見た目の酷似さに加えて区別をつけるのが大変で、「誰が誰やらさっぱり判らない」と他国空軍関係者や航空ファンを嘆かせ(呆れさせ?)ている。
#注2:基本的にレーダーはアンテナ直径が大きいほど性能が高い。だから早期警戒機は巨大な円盤型レドーム(アンテナ入り)を載せているのである。
#注3:ボンバーディア社の長距離高速ビジネスジェット機を管制/海洋監視機にしたもの。胴体上に載せられた柱状のレドームが特徴。パリから東京までノンストップで飛べるほどの飛行性能と強力な音声データリンク能力を備え、「ヒロイン」達に強い印象を残した。ちなみにパイロット達の自称は「MAITO」
#注4:マルセル・ダッソー没後、設計局長となった孫娘が設立した設計局「マウベ」は「御大」と周囲から呼ばれるほど顕示欲と政権欲が強く、WW4後にダッソー社の屋台骨をぐらつかせる一大騒動を起こしてしまった。
#注5:両機とも次期戦闘攻撃機計画の機体。「神の戦闘機」と称される〈リシアンサス〉の機動性と多彩な搭載兵器に対し「魔王の戦闘機」と称される〈ネリネ〉の方は海軍からのチームが設計し、卓越したミサイル戦闘能力と高いステルス性能を特徴とする。

要目

(C型)

  • 全幅 12.50m
  • 全長 19.27m 
  • 全高 5.51m
  • 自重 13280kg 
  • 最大重量 26000kg
  • 発動機 スネクマ(SNECMA)・M90-4(推力9500kg, A/B 17500kg)×2基
  • 最大速度 M=2.7
  • 最大航続距離 4020km
  • 武装
    • 30mm・GIAT機関砲2門
    • 各種爆弾6400kg
    • ハードポイント11  
  • 乗員 1名

各タイプ

  • C型:初期量産型
  • D型:垂直尾翼の改良やウイングレットの付加などを施した戦闘爆撃機タイプ
  • S型:サウジアラビア等への輸出型。C型に準ずる
  • N型:〈橘《ミラージュIV《唯奈〉の後継として開発された複座の核攻撃型、WW4では通常爆弾で参戦。

ボンバーディアBD707E〈桜井《グローバルサーチ》舞人〉(Bombadier BDE707 Global Seareh)

  • 全幅 28.5m  全長 33.3m 全高 7.6m
  • 自重 22300kg  最大重量 44500kg
  • 発動機 チュルボメカ・ラルザック48-C02(6920kg)×2
  • 最大速度 M=0.9(1125km/h)
  • 最大航続距離 12000km(最大16000km)
  • 乗員 3名+レーダー操作員4名