〈城戸《神鳳》芳晴〉
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〈城戸《神鳳》芳晴〉 Aircraft Carrier Kido-SHINHOU-Yoshiharu,IJN
Leaf「ナイトライター」「ナイト雀鬼」城戸芳晴
先駆者の決起
1946年に竣工した、〈長森《大鳳》瑞佳〉級の3番艦。『タイプライター』を艦のエンブレムに用いている。
この艦には、他の大鳳級にはない大きな特徴がある。それは艦橋に備え付けられた十字架型のレーダーアンテナと試験的に装備された天使の輪のような形をした試作型レーダー連動対空火器管制システム―――愛称は『COLIN(コリン)』―――を搭載していると言う事である。(注1)
この艦は最初練習艦隊である第11航空戦隊の旗艦として配属され、1番艦の〈長森《大鳳》瑞佳〉や2番艦の〈里村《海鳳》茜〉に比べると、かなり不遇な扱いを受けていた。それは〈城戸《神鳳》芳晴〉に将旗を掲げる伯斗竜二少将にも同じ事が言えた。
彼は吉良俊一と共に世界初の本格的航空母艦〈HMX-12《鳳翔》マルチ〉に日本人として最初に発艦・着艦に成功したいわば日本海軍航空隊の『最初の主人公』であった。だが吉良を『陽』とするなら、彼は『陰』であった。
その後彼は、軽空母の飛行長、軽空母の艦長、戦局に関係しない西南洋の航空隊司令と完全に忘れられたような扱いを受けていた。
そしてWW3に入ってようやく提督となれたものの、配属された場所は旗艦こそ最新鋭の大鳳級の〈城戸《神鳳》芳晴〉であったが、それ以外は数隻の巡洋艦と十数隻の駆逐艦で構成された、練習艦隊であった。他の提督達はドイツやアメリカを相手に大きな戦果を上げていると言うのに自分はこんな所で燻っている………
「これで良いのか?俺はこのまま『埋もれた主人公』として忘れられていって良いのか?」
彼は何度も自問自答した。その答えはいつも「否」であったのは言うまでも無い。
彼は、「いつかチャンスがきっと来る、その時の為に自分のこの艦隊を強力な機動部隊としてみせる!」と熱い決意をこめ、訓練を重ねた。
それからの間、彼は自らの艦隊を鍛え上げた。そして彼の乗る空母には、猛訓練で鍛え上げられたパイロット達が揃っていた。また、彼の幕僚にも2人の優秀な参謀が出来た。城戸大佐と小林大佐である。この2人は幼馴染で同期なのだが、常にしっかりとした軍装を着こみ、真面目で正統派の作戦を好む城戸大佐に対し、小林大佐は下着姿で艦内をうろついたりする行き当たりばったりな性格で、多少投機的な作戦を好む傾向があった。
そして、彼の忍耐が実を結ぶ時が来た。1949年、この時枢軸側は南大西洋に出没するフランスの第1戦列艦隊(通称「夜の鬼」)による通商遊撃戦に悩まされていた。なにしろ旗艦が46cm砲搭載の戦艦〈ルミラ《ジャン・バール》〉である。護衛の巡洋艦部隊では手も足も出ず、護衛空母の戦闘機も随伴している空母〈メイフィア《ジョッフル》〉の戦闘機に駆逐され、しかも移動海域が大きいため捉える事も難しい。
だが対策を立てようにも日英米も余分な戦力が無くどうしようもなかった。チャンスは今しかない。彼はそう思った。そして彼は余っていた艦を集めて部隊を結成した。第11航空戦隊改め第7機動艦隊…部隊名は「エクソシスト(悪魔祓い師)」………
内地を出港後、インド洋において「何となく面白そう」と言う理由(最もそれらしい言い訳をしておいたが)で、ばかばか艦こと〈折原《吉野》浩平〉が〈長谷部〉の艦長と、所属する駆逐艦を半ば強引に抱き込んで共に第7機動艦隊に加わり、陣容が強化された。(注2)
南大西洋に間もなく嵐が吹こうとしていた………。
注1:これにより、他の大鳳級に比べて対空砲火の命中率が上がっているが、試作型故なのか相当に気まぐれが多く、艦長の悩みの種であったと言われている。
注2:その後、前述の小林大佐と〈折原《吉野》浩平〉艦長のK大佐がやたらと意気投合し無茶をやったため、生真面目な城戸大佐が胃薬を貰いに来たと軍医は語っている。
要目
- 基準排水量 45000トン
- 常備排水量 56000トン
- 全長 295メートル
- 全幅 35メートル
- 主機 艦本式オール・ギヤード・タービン4基4軸 200000hp
- 速力 32.5ノット
武装
- 10センチ連装高角砲8基
- 40ミリ機関砲32基
- 25ミリ3連装機銃40基
- 12センチ28連装対空噴進砲8基
- 搭載機 最大94機(格納庫内82機+露天繋止12機) 昭和17年時点
- 飛行甲板 292メートル×38メートル
- 装甲
- 飛行甲板95ミリ
- 舷側55〜165ミリ
同級艦
- 〈長森《大鳳》瑞佳〉
- 〈里村《海鳳》茜〉
- 〈城戸《神鳳》芳晴〉
- 〈雄鳳〉
- 〈剛鳳〉
- 〈江藤《白鳳》結花〉
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