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〈住井〉

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〈住井〉 Tanker Kitagawa Class SUMII,IJN

Tactics「ONE〜輝く季節へ〜」住井 護


(注)昭和末期の「別冊宝嶋 猛進!東征の艦隊大全」掲載当時の記事の抜粋であり、内容には現在知られている戦史との相違があります。


 〈住井〉は竣工後、主として中部太平洋方面の諸作戦――ミッドウェー海戦、日本機動部隊遊撃戦、ビキニ沖海戦(*1)に支援部隊の一艦として参加、ビキニ沖海戦でうけた損害の修理後は内地で訓練を行っていた3航戦とともにハワイ沖海戦に参加、その後中東撤退作戦に支援艦として参加した。
 ―――と書くと常に激戦地に身をおいているようで格好がつくが、実際にはこの〈住井〉はかなりの問題艦であった。なにが問題であったかというと、〈住井〉は作戦行動中に必ずなんらかの"愉快かつ無意味なイベント"に艦隊全艦をまきこむというなんと評したらよいかわからない乗組員たちを持つ艦であったのだ。
 例えば「葉」号作戦(ハワイ強襲上陸作戦)では、正月中すべての日程を宴会に費やすという艦長の方針の結果本当に宴会にあけくれ、あやうく対潜任務を忘れそうになったり、オアフ沖夜戦では1航艦の護衛艦艇艦長全員に「水上戦闘において敵艦隊への"突撃"先頭艦の位置をプレゼント!」くじ引きを行い、本当にそれによって先頭艦が決まってしまったことになるなど、多くの評価にくるしむイベントを行った。この他にも〈住井〉は「第1機動艦隊人気投票大会」「無線で合衆国軍に次の作戦を聞いてみる」「軽巡〈七瀬〉最新装備品オークション大会」などなどの問題行動を起こしている。
 〈住井〉の行動はある意味連合艦隊の汚点といえる。しかし、これらの行動が戦場ですさんだ将兵の心を少なからず癒したのは事実であり、給油艦という枠をこえての真の「脇役」として戦史に名を残している。
 なお、当然というべきか、〈住井〉艦長には愉快な人物が多く、〈住井〉艦長語録として「うぉぉぉー、俺たちはついに自由を手にいれたっ!(日米休戦直後)」や「何が悲しくて空襲受けるのに限界に挑戦しなくちゃいけないんだぁぁっ…(ミッドウェー沖海戦時)」、「いい爆撃だったぜ、米軍(ハワイ沖海戦)」などがある。
 余談であるが、1980年代後半からはやり出した「仮想戦記」というジャンルの書物では〈住井〉はつねに作者のおもちゃにされている――無茶苦茶な役割をあたえられる――が、これも〈住井〉の戦歴ゆえと判断するしかなさそうである。

注1 1943年10月、マーシャル、ギルバート諸島への合衆国再侵攻を日本機動部隊が迎撃した戦い。別名第2次マーシャル沖海戦。迎撃準備が整っていなかった日本軍は第1、第3航空戦隊を急派するが、合衆国空母2隻を撃沈するかわりに3航戦の2空母も中破し、合衆国軍を撤退させることは出来なかった。

要目

  • 基準排水量  18300トン
  • 速力     16.5ノット
  • 兵装
    • 12.7センチ連装高角砲2基
    • 25ミリ単装機銃10基
    • 飛行機常用6機 補用1機
    • 射出機1基

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