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〈高屋敷《Bv237》春花〉

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〈高屋敷《Bv237》春花〉

{元ネタ 「家族計画」(D.O.)より 高屋敷 春花}

 時は1943年、ドイツ軍の攻撃による陥落寸前の英本土。
 場末の航空基地ツードラゴンで働くイギリス王率空軍(RAF)の若手地上将校ブルークビレッジ大尉の元に、突然〈高屋敷《Bv237》春花〉という謎の形をしたドイツ軍の飛行機が強行着陸し、直属の上官であったラオ基地司令代理に、乗っていた怪しいどっかで見たことあるような顔の中年パイロット込みでその管理を命じられる。

 しかし、あっという間に亡命パイロット&機体を狙う大柄で頬に決闘の傷跡を残し、まるで「マフィア」のような容貌をした「不死身の」SS証左オットー・スコルツェニー率いるSSコマンド部隊(SS第600降下猟兵大隊)の襲撃を受ける主人公の宿舎。
 危機一髪なその時、怪しげな言動をする一人のイギリス陸軍大佐が現れて、見事に「マフィア」と怪しげな格闘技で白兵戦を行い、コマンド部隊を撃退してしまう。
 それから、そのワイドと名乗る大佐に率いられて、戦争に敗北しつつあるイギリスをテントや土管生活で放浪していくうちに、ブルークビレッジ大尉とは旧知の仲の日本軍将校が率いる〈高屋敷《九四式軽装甲車》景〉の小部隊、〈高屋敷《マチルダ機嫂申磧、試作しては見たものの何に使えばよいかよく判らず、元の部隊から酷い扱いを受けて逃げ出していた〈高屋敷《Fa223》末莉〉の実験部隊など、様々な「家族」を失ってバラバラになってしまった敗残兵たちを仲間に迎え、その人数は増えていく。
 彼らは幸運にも空っぽの物件良好な飛行場を見つけるが、その基地は〈高屋敷《デファイアント》青葉〉の部隊が既に抑えていた。
 安住の地を得るべく、ありとあらゆる手段を用いて、その基地に間借りする主人公の部隊。
 そして元は切れ者だったのに、ドイツ軍の電撃戦で大敗北したことにより完全に頭がおかしくなってしまったワイド大佐がある計画を提唱する。
 『家族計画』…各兵器が抱える問題を「家族」のような形態をとることにより敵を各個撃破する相互互助計画。

 普通ならとても使えないような、駄作兵器や、珍兵器ばかりの集団がお互いに家族のように助け合って、戦闘を行う戦闘団。
 彼らは駐留している基地の名前を取って高屋敷家……もとい「High mansion family」と呼ばれるようになる。
 個性溢れすぎる兵器群の内部での衝突。
 理不尽なまでのドイツ軍の攻勢。
 そして「不死身」のオットースコルツェニー、東方の格闘技「アブクンフー」を極めた変人大佐の拳と拳がぶつかり合う!!

 これは、1943年の英本土戦で伝説となった混成戦闘団「High mansion family」の誕生と活躍、そしてその崩壊の物語である。
                    ◆
 このBv237とは、非対称な飛行機であり
、他の外国人には理解不可能なドイツ人の奇怪な思考に作られた代物であった。
 胴体は2つあって双胴機ともいえるが、尾翼とエンジンがついた胴体と、コクピットがある胴体の2つはどちらも大きさが異なっている妙な形である。
 形態としては、同種の構造を持つBv141観測機の発展型とも言えるが、この機体はJu87スツーカ急降下爆撃機の後継も狙っており、1000キロの爆弾を抱えて急降下爆撃が可能という凄い代物であった。
 装備している機銃も、主翼内にリボルバーカノン30ミリ機銃 MK213C/30を3挺、胴体前方固定機銃としてMG151 15ミリ機銃を2挺、胴体後方固定機銃としてMG131 13ミリ機銃が2挺という重武装である。
 しかし、あまりにも前衛的なそのデザインのために、ドイツ空軍からは制式採用を貰えず、少数機の生産に留まっている。
 見かけによらず飛行性能はかなり優れており、敗戦まっただ中の英本土戦において、各種連絡任務や偵察、軽攻撃任務と言った雑事を着実にこなし続けたという。
 特に食糧関連の輸送などで、能力を思う存分に発揮したと言う。
 ただ、その外見もあって、他の部隊への支援は断られる方が多かったが。

 あと、「High mansion family」の面子も直に知ることになるのだが、実は和平のために彼1人の勝手な判断で、ゲルマン民族の母たるイギリスのチャーチルに会いにやってきたドイツ副総統ルドルフ・ヘスであり、スコルツェニー率いる特殊部隊は、ヘスの身柄そのものと、彼が持ち去った極秘資料を回収するために、何回も襲撃してきたのだった。
 この〈高屋敷《Bv237》春花〉の開発にはヘス副総統も深く関わっており、彼が単身の英本土飛行が出来たのも、この機体の開発に関わっていたからである。
 〈高屋敷《Bv237》春花〉の開発が中止されてしまったのも、このヘスの単独飛行が原因との一つともされている。
 ブルークビレッジ大尉はヘスを臨時首相官邸のある場所に連れて行ったこともあるが、何故か彼はただ遠くから、臨時首相官邸を眺めるだけだった。ドイツ本国からも捨てられた彼の胸中は一体どれほどのモノだっただろうか。

 家族のように「社会不適合」な兵器を装備した敗残兵が共同して、敵に立ち向かっていった「High mansion family」だったが、最初の頃は善戦し続けたが、やはり、ドイツの猛攻撃と、はぐれ者部隊であることによる味方からの酷い仕打ちと言った「世間の荒波」には勝てず、徐々に崩壊し始めた。
 その最終的なきっかけとなったのが、ヘスの居場所をつかんだスコルツェニーのSS第600降下猟兵大隊によるHigh mansion基地の襲撃だった。
 「High mansion family」主要部隊は全て出払っている中、少数の残存部隊を率いたワイド大佐は得意の東洋の格闘技「アブクンフー」で、スコルツェニーその人と肉弾戦を行うなどして、撃退に成功したのだが、その戦闘のショックでおかしくなっていた頭が元に戻ってしまった。
 ハイテンションで訳の分からない言動しかしなかったワイド大佐が、」いきなり切れ者の陸軍将校に戻ってしまったのだ。

 その日の夜、ワイド大佐は「High mansion family」の全隊員を集合させて宣言した。

 「本日19時45分を持って、家族計画を終了する」
 「以降、各自はここを引き払い、おのおのの生活手段を見つけて生きるべし」
 「すでに危険度はカバーできる範疇を超えた。これが最善だ。High mansion familyは解散だ」

 いつの間にかこの部隊に愛着を感じるようになっていたブルークビレッジ大尉は激高して叫んだ。
 「あんたがはじめたのに、あんたが終わらせるのか」

 それにワイド大佐は答える。

 「それは違う。」
 「私がはじめたことだからこそ、私が終わらせるのだ」

 激怒のあまりブルークビレッジ大尉は隊員の前でワイド大佐を殴ったが、大佐は何もしなかった。

 その宣言とともに、「High mansion family」は解隊し始めた。
 切れ者だったワイド大佐は、軍の各所にコネを大量に持っており、構成人員を様々な伝手を使って、英本土から脱出させていく。
 そんな中でも、ブルークビレッジ大尉とヘスと〈高屋敷《Bv237》春花〉の運用人員は、まだ基地に残り続けていたが、ヘスの身柄とその持ち出した極秘資料を取り戻すために、スコルツェニーは諦めず、再び襲撃をかけようとしていた。
 しかし、ヘスの持っていた極秘資料は、既に「High mansion family」解散寸前に〈高屋敷《九四式軽装甲車》景〉部隊が持ち出して、情報部に売りさばいてしまっていた。
 それでもなおスコルツェニーは、事実上もぬけの空になったHigh mansion基地を総力を挙げて再襲撃するが、どうしても基地を離れることが出来なかった人員で構成されたブルークビレッジ率いる少人数の残存部隊は彼らを撃退することに成功する。
 だが、その代償は大きく、主要施設は炎上して使い物にならなくなり、ここにHigh mansion基地は完全に使用不能に陥った。
 ブルークビレッジとヘスと〈高屋敷《Bv237》春花〉の運用人員は、元の古巣で全てが始まったツードラゴン基地に移動する。
 既にツードラゴン基地も放棄され、イギリス軍の人員もいなくなっていたが、ドイツ軍の襲撃までは、まだ安全な時間をすごせる筈だった。
 ところが、ツードラゴン基地を襲撃してきたのは、ドイツ軍では無く、同じ味方であるはずのイギリス軍特殊部隊だった。
 部隊を率いるのは、ブルークビレッジの上司だったラオ基地司令代理。
 彼は「完全に人種などで差別を受けることの無い『真の英連邦』を目指す秘密結社の幹部であり、数度にわたるHigh mansion基地強襲で打撃を受けたSS第600降下猟兵大隊を襲撃して壊滅させると共に、ヘスの身柄を押さえるべく、ブルークビレッジの部隊を襲ったのだ。
 難なくヘスの身柄は押さえられ、英本土から舟に乗せられて、強制的に英国から出国させられていった。
 彼は1989年まで収容所で生き続けることになる。
 その後、ブルークビレッジ大尉は、英本土のその他の元「High mansion family」構成部隊と共に戦い続け、英本土撤退後は、ワイド大佐や元「High mansion family」構成人員と共に、時が過ぎると共に伝説となっていった「High mansion family」の復活と英本土奪還を目指して戦っていくことになるのだが、それはまた別の物語である。

 第3次世界大戦終了後、〈高屋敷《Bv237》春花〉のような飛行機の形はいかにドイツといえども受け入れられなかったのだが、ハイマンションファミリーで活躍したというのが実績となり、ブロームウントフォス社からの魔法の紙切れ(購入契約書)イギリスに帰化し、現在でも軽観測機およびレジャー機として、非対称な飛行機が英国で用いられている。

〈高屋敷《Bv237》春花〉性能要目
全長 14.46メートル
全幅 10.75メートル
全高 3.3メートル
全備重量 6.8トン
搭載エンジン BMW801D空冷エンジン(1800馬力)1基
最高速度 579キロ
航続距離 約2000キロ
武装  翼内固定機銃 MK213C/30 30ミリ機銃×3
    胴体前方固定機銃 MG151 15ミリ機銃×2(※)
    胴体後方固定機銃 MG131 13ミリ機銃×2
    ※この場合の胴体とは、コクピットのある側である
    最大爆弾搭載量 1000キロ
乗員 1名