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〈江崎《エンリコ・ダンドロ》日奈美〉

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〈江崎《エンリコ・ダンドロ》日奈美〉

フェアリーテール 「Natural2-DUO」「NaturalZERO+」江崎日奈美

ポケット戦艦の真実


 〈春原《ドイッチュラント》七瀬〉級はその活動と一見した性能により通商破壊戦を狙った艦だと想われているが、実はそれは後知恵の任務だったのだ。
 そもそも第一次大戦後のドイツ海軍の勢力では、通商破壊に出向くことよりバルト海沿岸の制海権を取ることの方が重要なのである。
 カテガット海峡とスカゲラック海峡を通って大西洋に出られなれば通商破壊も何もあったものではない。ドイツ海軍のまず戦うべき相手とは英国でもフランスでもなくポーランドや北欧諸国、あるいはソ連。後々から考えると信じられないことだが、少なくともヒトラーが政権を握るまではそう想定されていた。
 となるとそれらの国の主力艦船は海防戦艦。小柄で低速、航続力も短いが攻防に優れる。これを打倒し、沿岸支援も行える艦。
 「超海防戦艦」とも言える存在こそがポケット戦艦(装甲艦)の真実の姿だったのだ。本職の海防戦艦よりも防御は劣るが攻撃力は上、機動力も高いので優位に戦える。
 ディーゼルを積んだのは機関を小さく頑丈にするためであって航続力は後から出てきた結果に過ぎない。超海防戦艦を建造してみたら通商破壊にも使えるフネが出来た。結果というものは途中を無視できるのだ。
 そしてWW1の戦闘で「ドイツ艦は頑丈」という固定観念が他国に出来ていたことも有利に働いた。「あのドイツのことだ、11インチ砲を積むのならきっと防御もそのくらいあるに違いない」恐るべし固定観念。
 ただしその固定観念が過大評価に繋がり、フランスは〈三好《ダンケルク》育〉級を造ってしまうことになるのだが。
 英仏を始めとする諸国に「砲力と装甲で巡洋艦を圧倒し、速力で戦艦をかわす嫌な艦」そういう評価を下した。
 だが真の姿に苦慮する国々もある。
 それは北欧諸国。大国なら対策はいくらでもあるだろう。だが彼らには隆山条約戦艦も強力な巡洋艦もない。
 だが、ドイツがいつ攻めて来るかわかったものではないし、ドイツがやってこなければ代わりにお友達のソ連がやってくるだろう。後の激しい独ソ戦からは考えられないだろうが、この当時ベルリン・モスクワ枢軸という言葉が存在していたし、世界中の誰もが独ソは同盟国だと思っていたのだ。
 ソ連はスウェーデンの金鉱が欲しいというし、ドイツは鉄が欲しいと公言する有様。英仏はというと宥和外交で頼りにならない、ほっとけばチェコのように戦わずして隷属する事態になりかねない。
 慌てふためいて軍備拡張に走るしかない、飛行機だ戦車だ艦艇だ。
 といっても艦艇を造るのは大変、飛行機や戦車は速く出来るが艦艇は年単位が必要なのだから。
 ノルウェーは日本に発注したがスウェーデンはどうする?宥和政策ばかりの英仏は頼りにならない。
 そうなるとイタリア。政府や造船所は快く承諾してくれた。イタリアとしてはソ連が北欧どころか勢力圏のバルカンにまでちょっかいを出されるのが気に食わない。せっかくアルバニアを占領して足場を築いたのにギリシアやユーゴをそそのかすのには我慢がならない。バルカン国家には実に迷惑なことではあるが・・・。
 そのおかけでフィンランドはG50戦闘機や魚雷艇を手に入れることが出来た。これはソ・フィン戦争で活躍することとなる。
 スウェーデンは先に〈スピカ〉級水雷艇を購入(実に好評だった)していたが、対独装甲艦用に海防戦艦も発注した。
 ヴァイキングや三十年戦争時代でもあるまいし侵攻など全く考えない沿岸防衛海軍なら敵が来る場所にいれば相手が勝手にやってきてくれる。
 ただし主砲は12インチ以上、防御も対11インチ以上が絶対条件とされた。〈春原《ドイッチュラント》七瀬〉級に撃ち勝たないと話にならない。
 それに対してOTOメララ社が選択したのは新戦艦用に開発されていた34センチ砲。〈三好《ダンケルク》育〉級の出現によってお蔵入りしていたこの連装砲を引っ張り出してこれを砲火集中と重量問題から前部に背中合わせで2基搭載。その後ろに煙突と一体化させて頑丈にこしらえた艦橋、並列配置の12センチ連装砲と対空火器を置く。
 当然のごとく艦形の割に砲塔が巨大、かつ艦幅が広いため、「巨乳艦」という隠れた仇名さえ貰っている。
 〈春原《ドイッチュラント》七瀬〉級3隻に対抗すべく3隻が計画発注されたが予算がなかなか調達できず建造も遅れ気味。
 そうこうしているうちにイタリアも第二次大戦に参戦して結局イタリアが買い取ることとなり、ゆったりしたペースで43年1月にようやく〈江崎《エンリコ・ダンドロ》日奈美〉は完成した。二番艦(計画上では1番艦)である〈ティーナ・アプフェラー〉は44年。3番艦〈桃瀬《カイオ・デュイリオ》環〉に至っては一旦建造中止になって長らく放置、WW3末期に枢軸のイタリア本土上陸が迫ると大慌てで移動砲台として竣工している。
 竣工時期が各艦バラバラだったため同型艦とはいえかなりの差を生じたがいずれも海防戦艦としての体裁は整えていた。


失敗?


 横幅の広い測距儀(通称:眼鏡)を搭載した〈江崎《エンリコ・ダンドロ》日奈美〉は竣工したがこれが使いにくい。何せ30ノットを出せる艦しかいないイタリア海軍にとって23ノットしか出ない海防戦艦はじれったくて使えたものではない。よって〈スピカ〉級水雷艇などと組ませて船団護衛に投入しその大火力を生かして攻撃してくる英日軽快部隊を追い払ったり、艦砲射撃を食らわせる日々が待っていた。
 とにかく火力と撃たれ強さは抜群で爆弾を食らってもすぐに立ち直る。しかし黙って船団護衛をしていればいいのに敵を見ると取材(攻撃)に出かけては失敗して味方船団に迷惑をかけたりアレクサンドリアへの艦砲射撃では不用意に機雷源に突っ込んで浸水、一緒にいた〈霧島《ローマ》佳乃〉があたふたしつつ曳航して帰るという有様。
 それでも異様なまでに明るい艦長以下は全くめげない。全くイタリア人は能天気で困る。
 そうこうしているうちに地中海から英勢力は撤退。ようやく完成した〈ティーナ・アプフェラー〉と戦隊を組んでアデン占領を支援した後WW3を迎えた。

要目(*は〈ティーナ・アプフェラー〉、#は〈桃瀬《カイオ・デュイリオ》環〉)

  • 基準排水量 11700トン(*10900トン/#12020トン)
  • 満載排水量 12900トン(*12200トン/#13100トン)
  • 全長 172.2メートル
  • 全幅 30.8メートル
  • 喫水 6.2メートル
  • 主機
    • トシ式ギアード・タービン2基/2軸
    • *デ・ラヴァル式ギアード・タービン2基/2軸
    • #パーソンス式ギアード・タービン2基/2軸
  • 主缶
    • ソーニクロフト缶4基
    • *ペノエ缶3基
  • 出力 32000馬(*34000馬力/#44000馬力)
  • 速力 23ノット(#24ノット)
  • 航続力 16ノットで1500海里
  • 兵装
    • 50口径34.3センチ連装砲2基(*50口径38.1センチ連装砲2基)
    • 45口径12センチ連装砲2基
    • 50口径9センチ単装高角砲4基(*13.5センチ単装高角砲4基)
    • 65口径20ミリ連装機銃2基(*70口径35ミリ機銃20基)
    • 機雷40個(*機雷40個)
  • 装甲
    • 舷側210ミリ
    • 砲塔220ミリ

同型艦

  • 〈ティーナ・アプフェラー〉 1944年1月18日竣工 1953年スウェーデンに返還後〈サーシャ・ノーブルグ〉と改名、1981年除籍
  • 〈江崎《エンリコ・ダンドロ》日奈美〉 1943年1月1日竣工 1954年中国に引渡し、1977年除籍
  • 〈桃瀬《カイオ・デュイリオ》環〉 1952年4月23日竣工 1982年除籍