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〈ポテト〉

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Ca316〈ポテト〉

(AIR/keyよりポテト)

イタリアの主力艦載水上機。両大戦を通じて最も奇怪な形態の機体の一つでもある。

開発経緯

 イタリアは半島国ということもあり水上機を重視していた。当然艦載水上機も。
 そして新型戦艦に搭載する目的でこの機体は設計される。視界と運動性と航続力が必要とされた。開発を請け負ったカプロニ社では航続力重視で双発双フロートの機体とした。
 ここまではよかったが視界重視のためにガラス張りの機首を伸ばし、かつほぼ円形に整形。推進式に配置されて後ろに下がったエンジン、そして妙に寸詰まりな尾翼。およそデザインの国イタリアの機体とは思えない奇妙な形態にとうとう「地球外航空機」とまで言われる始末。
 1939年に試作機が引き出された時には唖然とされたものである。しかしその唖然はすぐなその性能に対してとなった。空冷断続強制ファンによる「ぴこぴこ」という妙な爆音を立てて飛び上がってみると400km近い最高速度、航続距離2000km。融通が効く装備と800kgの搭載量。おいおいこんな化け物じみた格好の航空機がなんでこんな性能出せるのか・・・さすがはイタリアと言うしかない。
 早速量差に入り大型艦を中心に搭載され、一部は基地にも配備された。

WW2

 前線でもまるっこい妙な形態に「毛玉」と愛称を奉られたがその異様な形態に反して実用性、整備性、使いやすさは素晴らしく高く「どんなとこに行ってもすぐに戻ってくる」「必要ならポイと飛ばせる」と評判でありまた群を抜く頑丈さのおかけで「蹴飛ばしてもすぐに戻ってきやがる」「水面に撃ち落して流しても何時の間にか足元にいる」と敵パイロットを嘆かせた。
 パンテレリア沖海戦では〈霧島《ローマ》佳乃〉搭載の同機が偵察に出向いて英戦艦〈国崎《デューク・オブ・ヨーク》往人〉に爆弾を食らわせ、そのまま〈霧島《ローマ》佳乃〉の主砲射程まで誘導する芸当を見せ、その後の夜戦でもカタパルトから暴走した〈霧島《サン・ジュースト》聖〉の艦橋後部に叩きつけられたりと大活躍(?)を見せた。
 対潜、哨戒、救助にも活躍。低速性能も良好で英からは「ピコピコに気をつけろ」と記録に残させている。
 その性能ぶりにイギリス側でも墜落した機体を捕獲修理、そのまま使用している。そのうち1機は壊れた〈早瀬《ウォーラス》霞〉飛行艇の代わりに〈国崎《デューク・オブ・ヨーク》往人〉に搭載されたが、補給物資の代わりに鉄骨を運んで来て艦長に蹴りを食らうなどあまりいい扱いはしてもらってなかったらしい。
 ちなみにドイツ側でもCa316Gの形式名でライセンス生産の話が出たが、ディレッタンティストたる総統ヒトラーの怒りを買って中止された。さすがにあまりにもデザインがまずいからだろう。

   

WW3

 Ca316〈ポテト〉はそのまま艦載水上機として現役にあった。
 敵戦闘機が来ない場所で活動するのなら別段高性能は必要ない。それに抜群の頑丈さは健在だ。対潜や連絡、輸送と広範囲にわたってよく使われた。
 その中でも異色なのは夜間爆撃。48年12月にソコトラ島を占領した日英軍に対し、Ca316〈ポテト〉は紅海やイエメン沿岸からこっそり離水、少数機での夜間爆撃を繰り返した。そう、独ソがよく使った「安眠妨害夜間騒乱」戦法だ。
 もちろん1〜2機ではこれという損害は出せないが撹乱には実に役に立つ。
 最初の頃は「イタリア軍は未だに羽布張り機を使ってる」と笑い飛ばしていた日英軍もその真の効果に苦労させられる。いつ来るかわからないから夜中監視する必要があり寝れないのだ。しかもわざとエンジン音を大きくするという芸当をやらかすパイロットまでいるめので夜は「ピコピコ」音に悩まされる。迎撃しようにも低速、低高度、かつほぼ単機なためレーダーには移りにくくまた高性能の夜間戦闘機では速度差がありすぎて捉えるのに一苦労。
 挙句に日本ご自慢の最新鋭ジェット戦闘機が失速墜落するわ、爆弾がたまたま燃料庫に命中して燃料約800トンが燃えるという惨事に英からは
「ソードフィッシュを出せ!」
という要請が出る始末。さすがに本当にソードフィッシュは来なかった(多分・・・)らしいが、対潜部隊から借り受けた流星攻撃機を当てて対処、なんとか損害を防いでいる。
 WW3後半ではさすがに退役が始まったが、他にこれというものがない間艦載水上機としては敗戦寸前まで使われ、51年の〈霧島《ローマ》佳乃〉自沈事件でも最初にその事を伝えたのはCa316〈ポテト〉であった。

2代目ポテト

 WW3後Ca316〈ポテト〉は退役したが、今度は艦載ヘリコプターの時代がやってきた。すでにWW3頃から各国では回転翼を振りまわして参加し、イタリアでもアグスタ社やフィアット社などが既に製作し、戦後もドイツのフォッケ・アハゲリスFa666をライセンス生産して陸軍が使用していた。
 ただこれは並列双回転翼式であり艦上で使うにはあまりに横幅が広過ぎる。
 そこでアグスタ社では二重反転式ローターの技術をカモフ社から得て新たな艦載ヘリを製作した。尾部ローター部分がないのでコンパクトかつ操作も楽というのが利点だ。
やけに寸詰まりかつ操縦室が大きく妙に丸っこいデザインは試作機を見たものには愛称が1秒で出てきた、そう。
アグスタAK108〈ポテト供咾函ΑΑ
 同機は未だ現役の〈霧島《ローマ》佳乃〉を始め、各イタリア艦船に搭載され、また輸出艦のベストセラーとなった〈ルポ〉級フリゲイトによって中小国にも配備されている。
 なお、後継としては独仏伊蘭共同のNHインダストリーズ・NH90が上がっていたがWW4の影響で延期され、もうしばらく丸っこい同機の姿を拝むことができそうだ。