!!!□回転翼機詳説(妄想変) !!1.三八式回転翼機〈むくどり〉(三菱)  1980年代以降、日本軍の主力となっている三八式回転翼機〈むくどり〉は陸海空三軍(後に宇宙軍も連絡機として採用した)が共同使用する汎用回転翼機として開発された回転翼機である。{{br}}  陸海空軍の機材統合による効率化を図り開発されたこの機体は、第二次世界大戦末期〜第三次世界大戦初期のレシプロ戦闘機と同等の出力をもつ、軸馬力2100shpを誇るタ117ターボシャフトエンジンを二基、角を丸めた台形に近い断面形をもつ胴体後部に備え、5枚のローターブレードによって浮揚・飛行させる。搭載量は機体内部に搭載するならば2.5トン、機体に吊り下げたのであれば最大で5トンまでの貨物を輸送することが可能な高性能機であり、救難用途での使用、また海外需要を見越し、高地での戦闘機動が可能な余剰出力が与えられている。{{br}}  この系列機の派生型の基本となったのがI型(汎用輸送型)である。陸軍および海軍陸戦隊の輸送ヘリコプターとして運用されることを想定して開発されたこの型は、80年代における日本陸軍のすべての種類の完全装備の一個分隊を輸送しつつ、その支援を行う武装を装備可能な能力が与えられている。完全な人員輸送である場合にはさらに輸送人員は倍加する。また、伝統的に夜襲を重んじる陸軍の要求から、暗視装置による夜間行動能力も付与されている。また、胴体上部側面に下反角をつけて取り付けられた短翼には最大8発の対戦車誘導弾、あるいは大型増槽などを吊下げることも可能である。{{br}}  このI型に、さらに悪天候下における活動能力、言い換えればウェザー・レーダーや衛星航法装置を装備したのがI型乙、およびI型丙と呼ばれる特殊作戦型である。I型乙は特殊部隊を輸送しての敵地への潜入に用いられる。そのI型乙に救難設備としてまたカーゴベイ天井、サイドドア部分に救難用の巻き上げ機を追加したのがI型丙であり、I型改造救難機とも呼ばれている。{{br}}  さらに、敵地での活動、つまり戦闘救難や特殊部隊の輸送といった任務において、防弾能力などの点で能力不足が考えられたため、キャビンへの防弾装備(防弾板及び樹脂製ライナーの素材変更)の追加と、それに伴う重量増を補うためのエンジン出力強化を行ったのがII型(特殊作戦型)となる。もちろん特殊作戦が想定されているために夜間/悪天候時の広報設備についてはI型丙に準じる装備をもつ。また、II型には救難用のウィンチを追加した戦闘救難型も存在しているが、こちらは特別な形式は与えられていない。{{br}}  海軍では先述したとおり、I型を海軍陸戦隊の輸送機として使用しているほか、独自の改修を行った哨戒機型を装備する。哨戒機型は〈むくどり〉の基本フレームを利用しているが、格納庫への収納を考慮し、ローターの折りたたみ機構およびテイルブームの折りたたみ機構を追加する改修を施した機体を水上艦の汎用機、および固定翼対潜哨戒機が運用できない、旧式空母搭載用の対潜機として、四〇式対潜回転翼機〈極海〉として採用した。{{br}}  装備面では対水上レーダーやデータリンク設備、対潜任務向けに吊下式聴音探信機、ソノブイ投下装置、救難用巻き上げ機等を装備している。{{br}}  加えて、海軍の救難飛行隊は陸軍/航空軍におけるI型丙に相当する救難専用機材を装備せず、〈極海〉をほぼそのまま救難任務に投入している。{{br}}  ただし、大型機であることから一部護衛艦では運用が困難であるということ、また母艦搭載の場合、任務の質が異なる(固定翼対潜機を装備している場合、対潜任務は固定翼対潜機が大半を担任)ため、すべての搭載機を入れ替えるには至っていない。{{br}} {{br}}  民間および海外輸出という面においては、I型相当のフレームに武装および防弾設備の撤去、民間規格に対応した航法機材への変更を行ったMCH‐38(米式の形式番号法則付与とは異なる。Mitsubishi Commercial Helicopter Type38を基にした商号にすぎない)が主に政府公共機関向けに販売されている。また、民需とは少々意味合いが異なるが、防音装備などMCH‐38の内装を改修した特別仕様の〈むくどり〉は政府専用機として首相など政府首脳の移動手段として使用されている。{{br}}  海外軍需向けの派生型・輸出型としては、オーストラリアおよびカナダ海軍が〈極洋〉を陸上基地用の長距離哨戒ヘリコプターとして使用しているほか、オーストラリアでは軽空母向けの対潜哨戒機としても〈極洋〉を採用している。{{br}} {{br}} {{br}} {{br}} !!2.二六式回転翼機〈しらさぎ〉/四四式回転翼機〈あおさぎ〉(川崎){{br}}  この機体の原型は、米国バートル社が開発した縦列タンデムローター型ヘリコプター、V‐107〈シーナイト〉である。大型輸送ヘリコプターの開発に際して縦列タンデムローター式ヘリコプターの開発に難渋していた川崎が米国よりライセンス権を取得、独自の改修を施して生産したのが二六式〈しらさぎ〉である。統合運用は想定されていなかったものの、結果的には陸海空軍および宇宙軍の四軍すべてが採用、主に大型汎用輸送機(人員・物資輸送)として採用された。{{br}}  技術的な特徴などは基本的には〈シーナイト〉と同じくしている。この種の機体としては小型の機体の前後端に三枚羽のローターを備え、後方パイロン部分に装備された1500馬力級ターボシャフトエンジンによって駆動する。胴体後部には下方に開くハッチが備えられており、軽車両の搭載、あるいは貨物の搭載における利便性を図っている。こういった輸送機として優れた特性を持っているため、国産化にあたる変化は相違点はエンジンを国産のものに変更している点にとどまっている(このため、後部ローターマスト部分にエンジンを収容できず、後述する四四式、あるいは本家であるバートル社が追って開発したCH‐47〈チヌーク〉と同様の、左右にエンジンナセルを装備する形式をとった。{{br}}  〈しらさぎ〉は先述したとおり、陸海空軍および宇宙軍の四軍が使用した。陸軍および海軍陸戦隊では大型輸送機として、また空軍では輸送機だけでなく、当時のヘリコプターとしては優れた上昇限度、運動性から山岳救難機としても利用された。救難型の場合には側面のスライドドア部分に救難用巻き上げ機を装備、その取り付け部分がポッドとして張り出している点が外見上最大の識別点となっている。なお、〈しらさぎ〉という愛称はあったものの、軍を問わず実戦部隊の間では原型機の開発メーカーである「バートル」という非公式な愛称で呼ばれ続けた。{{br}}  80年代に入り、特に陸軍型において機体寿命に達した〈しらさぎ〉の後継として、川崎はタンデムローターの機体を新規に開発・生産した。これが四四式回転翼機〈あおさぎ〉である。基本的な部分では〈しらさぎ〉と同様のタンデムローター式のレイアウトをとっているが、輸送能力を拡大するため、胴体横幅を広げ、幅広の楕円形に近い胴体断面形となった。また、エンジンの出力を倍加し、吊下輸送能力の面では重輸送回転翼機である三五式〈こうのとり〉に匹敵する能力を保有する。また、胴体幅の拡幅により高機動野戦車をキャビンに収容し輸送することも可能になっている。{{br}} {{br}} {{br}} {{br}} !!3.三〇式強襲回転翼機〈もず〉(中島飛行機){{br}}  三〇式強襲回転翼機〈もず〉は、シベリア公国皇立航空工廠ミル設計局と中島飛行機が共同で開発した強襲ヘリコプターという世界でも類を見ないカテゴリーを名乗る機体である。シベリア公国ではPACTO内共通識別符丁の「ハインド」で呼ばれる。{{br}} 大出力のエンジンを双発で搭載することにより、攻撃ヘリコプターと輸送ヘリを兼ねる「空飛ぶ歩兵戦闘車」として機能する予定であった。しかし、ロシアにおける内戦で当初考えられていた構想、つまりガンシップとして制圧した後、強行着陸して兵員を送り込むという構想が崩壊したことをきっかけに日露間で別のバリエーション展開がなされることになる。{{br}}  日本においては比較的原案に近い、コマンド輸送用の高速重武装ヘリとして位置付けられ、火力面では攻撃ヘリコプターの補助的なものに留められ、代わりに速度、防弾性能、夜間行動能力といった面での改善が図られた。また、航空軍の特種救難隊(戦闘救難部隊)においては支援機として三八式を支援する任務に就いている。{{br}}  一方、シベリア公国では輸送能力をあくまで補助的なもの、撃墜された僚機パイロットの回収用スペース、果ては(日本人の基準から考えれば恐ろしいことに)予備弾薬用のスペースとし、結果として対戦車ミサイルを最大12発(〈蛇龍〉の五割増)搭載可能な重攻撃ヘリコプターに転身を遂げた。{{br}}  武装は当初は〈蛇龍〉と同様に、機首ターレットに20mm回転式機関砲を装備していたが、シベリア公国側では砲塔を撤去し、機首側面に30mm機関砲を装備して武装の強化を図っている。{{br}}