!!!〈御影〉{{br}}{{br}} !!(御影すばる/こみっくパーティ/Leaf/AQUAPLUS){{br}}{{br}} !■概要  日本は隆山条約で合衆国と互角の主力艦を得ることに成功したが、その代償として巡洋艦勢力の絶対的な不足を抱え込むことになった。確かに主力艦なら運動性の揃った八八艦隊は合衆国ダニエルズ・プラン艦隊に対して優位に戦える。だが数に劣る補助艦艇、特に巡洋艦の防御を突破され、重雷装の合衆国駆逐艦に好き放題暴れられる・・・それが日本海軍にとっての悪夢だった。確かに〈赤嶺《妙高》真理〉級や〈千堂《鳥海》瞳〉級は有力な巡洋艦だ、だが相手は倍以上もいる上に〈ブルックリン〉級のような大型軽巡洋艦が続々竣工する情報を聞くにつれ、日本海軍は頭でっかちになった艦艇のやりくりに悩むことになる。{{br}}  そして隆山条約の失効が近づいた時、日本海軍は〈相田《最上》響子〉を発展させた索敵能力が高く融通性の利く〈利根〉級を捨てて重防御の〈高瀬〉級を建造することになった。これには合衆国の〈ウイチタ〉の存在がある。〈ブルックリン〉級を重巡化したような〈ウイチタ〉は攻防にバランスのとれた巡洋艦として注目されており、直面する日本海軍としても対策の必要があり「殴り合いに強い」巡洋艦を欲しがった結果〈高瀬〉が建造されることになった。{{br}}  数がいる巡洋艦、当然ながら2番艦が建造されるのだが、この艦の建造予算が下りた時、また日本海軍(いや、日本そのものか)の悪い癖が出た。{{br}} 「〈ウイチタ〉には同型艦はない」  当たり前だ、合衆国が手に入れた条約排水量の最後の残りを使ったのが〈ウイチタ〉。だから同型艦などあるわけがない。大体〈ウイチタ〉は条約後に建造される巡洋艦達のタイプシップなのだから。{{br}}  そうなると対〈ウイチタ〉用は〈高瀬〉だけで充分、とすると今度は多数いる他の巡洋艦や駆逐艦対策が欲しくなる。艦隊決戦時に相手艦隊に突入でき、それこそアメリカン・ヒーローや時代劇の主役のように敵艦をばっさばっさと沈められる巡洋艦。{{br}}  それが〈高瀬〉の略同型艦の〈御影〉だった。{{br}}  〈高瀬〉というよりも〈相田《最上》響子〉級、いや中止になった〈利根〉級ゆずりのコンパクトな艦橋と大型の誘導煙突、背の高い後部マストとカタパルトといったスマートな艦影はグラマラスな〈高瀬〉とは全く違う(設計者も違う)きりっとした印象を持っていたが、その戦闘力は艦隊決戦時のヒロインどころか「最終兵器」にも思える存在であった。{{br}}  主砲は〈利根〉と同じく連装4基を前方に配置したが充実した航空設備を持つ予定だった彼女とは違い後部にも2基の主砲塔を持ち、実に6砲塔、12門からなる集中砲火はそのあたりの巡洋艦など瞬時に粉砕できる。{{br}}  日本海軍伝統の重雷装に関しても射線を増やし、かつスペースを減らさないようにするために新開発の6連装発射管(次発装填装置付き)を採用、これを他巡洋艦と同様に煙突後部の甲板に左右2基づつ装備、片舷12射線という駆逐艦を凌ぐ強雷装を実現。艦隊決戦時の駆逐艦の援護と自らの突入のための機能を徹底して追求した「格闘」のための艦だった。{{br}}  その反面重量制限のために高角砲は小型の8センチ砲で代用せざるを得ず、それ以上の対空火力強化も航空設備との兼ね合いから増設が難しく、傑出した砲魚雷戦能力に対して素人レベルの防空能力は艦隊直援艦として極めて不適当であり、後に凄まじい改装と訓練を余儀なくされている。{{br}}  3隻計画のうち〈御影〉のみが竣工。2番艦以降は紆余曲折の末に〈折原《吉野》浩平〉級へ変更されている。{{br}}{{br}} !■要目{{br}} 基準排水量 13092トン{{br}} 常備排水量 15900トン{{br}} 全長 202.3メートル{{br}}  全幅 20.2メートル{{br}} 喫水 6.3メートル{{br}} 主機 艦本式ギアードタービン4基/4軸{{br}} 主缶 ロ号艦本式缶8基{{br}} 速力 35ノット{{br}} 航続力 18ノットで8000海里{{br}} 兵装 50口径20.3センチ連装砲6基{{br}}    65口径8センチ単装高角砲4基{{br}}    25ミリ連装機銃4基{{br}}     61センチ魚雷発射管6連装4基{{br}}    水偵3機/カタパルト2基{{br}} 装甲 舷側140ミリ 甲板35ミリ 砲塔50ミリ{{br}} !■同型艦{{br}} 〈御影〉 1941年11月11日竣工{{br}} 301号艦 起工直後建造中止 〈折原《吉野》浩平〉級に変更{{br}} 302号艦 同上{{br}}{{br}} 2002年1月15日におけるカーフ氏の投稿より