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〈千紗〉の変更点

- メキシコ湾で発生した巨大ハリケーンに乗じて、グアンタナモ―レイキャヴィク間船団SY3を撃滅するためドイツ最強の戦艦〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルグ》葵〉が出撃した。この報を受けた日本海軍第1戦隊の戦艦〈高瀬《大和》瑞希〉〈来栖川《紀伊》綾香〉〈坂下《尾張》好恵〉と「ブラザー2」戦隊の装甲巡洋艦〈千堂〉(僚艦〈九品仏〉はハワイで整備中)はグアンタナモ港で出撃準備を急いでいた。{{br}}
+ メキシコ湾で発生した巨大ハリケーンに乗じて、グアンタナモ―レイキャヴィク間船団SY3を撃滅するためドイツ最強の戦艦〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルク》葵〉が出撃した。この報を受けた日本海軍第1戦隊の戦艦〈高瀬《大和》瑞希〉〈来栖川《紀伊》綾香〉〈坂下《尾張》好恵〉と「ブラザー2」戦隊の装甲巡洋艦〈千堂〉(僚艦〈九品仏〉はハワイで整備中)はグアンタナモ港で出撃準備を急いでいた。{{br}}
- だがここで突然〈千紗〉の艦中央の構造物――機銃甲板と呼ばれる――付近で爆発が起き、火災が発生した。この原因は、本来水上機母艦である〈千紗〉には航空機用ガソリンが積まれており、何らかの理由でタンクから漏れ出したガソリンが気化、引火したためと後の調査で判明している。〈千紗〉艦長以下乗組員たちは決死の消火活動を行い、隣に位置する〈千堂〉からも放水が浴びせられたが火災は収まらず、艦上を舐める炎は他の可燃物に引火しながら艦尾へ――〈千堂〉の弾薬が積まれた場所――へと向かっていった。もしそれに引火すれば、<千紗>は瞬時に木端微塵になることは間違いない。{{br}}
+ だがここで突然〈千紗〉の艦中央の構造物――機銃甲板と呼ばれる――付近で爆発が起き、火災が発生した。この原因は、本来水上機母艦である〈千紗〉には航空機用ガソリンが積まれており、何らかの理由でタンクから漏れ出したガソリンが気化、引火したためと後の調査で判明している。〈千紗〉艦長以下乗組員たちは決死の消火活動を行い、隣に位置する〈千堂〉からも放水が浴びせられたが火災は収まらず、艦上を舐める炎は他の可燃物に引火しながら艦尾へ――〈千堂〉の弾薬が積まれた場所――へと向かっていった。もしそれに引火すれば、〈千紗〉は瞬時に木端微塵になることは間違いない。{{br}}
- 8月21日の「ニューヨーク沖海戦」において〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルグ》葵〉は撃沈、SY3船団の安全も保たれた。しかし枢軸側も〈高瀬《大和》瑞希〉〈来栖川《長門》芹香〉〈スフィー〉が大破、戦術的には辛勝といえるものだった。〈千堂〉は戦場へは同行したものの戦闘には直接参加せず、勝利にはなんら寄与することはできなかった。後に〈千堂〉艦長のS大佐はそのときの態度を「敢闘精神の不足」と痛烈に批判されたが、一切の弁明を行わず、ただ黙って批判を受け入れた。なお「もし〈千堂〉が戦闘に参加していれば〈高瀬《大和》瑞希〉が〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルグ》葵〉を牽制している間にそれに肉薄し、至近距離から放たれた大威力の41センチ口径減退砲(しかも改良により新造時のそれよりも威力が増大している)は〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルグ》葵〉の舷側装甲を撃ち破りそれを撃沈、〈高瀬《大和》瑞希〉も大破することはなかったであろう」というのが後世の戦史研究家たちのほぼ一致した見解である。{{br}}
+ 8月21日の「ニューヨーク沖海戦」において〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルク》葵〉は撃沈、SY3船団の安全も保たれた。しかし枢軸側も〈高瀬《大和》瑞希〉〈来栖川《長門》芹香〉〈スフィー〉が大破、戦術的には辛勝といえるものだった。〈千堂〉は戦場へは同行したものの戦闘には直接参加せず、勝利にはなんら寄与することはできなかった。後に〈千堂〉艦長のS大佐はそのときの態度を「敢闘精神の不足」と痛烈に批判されたが、一切の弁明を行わず、ただ黙って批判を受け入れた。なお「もし〈千堂〉が戦闘に参加していれば〈高瀬《大和》瑞希〉が〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルク》葵〉を牽制している間にそれに肉薄し、至近距離から放たれた大威力の41センチ口径減退砲(しかも改良により新造時のそれよりも威力が増大している)は〈皆瀬《フォン・ヒンデンブルク》葵〉の舷側装甲を撃ち破りそれを撃沈、〈高瀬《大和》瑞希〉も大破することはなかったであろう」というのが後世の戦史研究家たちのほぼ一致した見解である。{{br}}